1) 4月のリゾート会員権取引状況

4月は朝鮮の南北問題に薄日が差してきた感があります。
一方、米中の貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼす懸念も指摘されています。
また、国内的には、円高傾向がみられる中で、政治が機能不全をおこしており停滞しています。

そのような中で、リゾート会員権市場に目を向けると、4月は最近になく動きの悪い市場となりました。
確かに4月はゴールデンウィークを控え動きが悪くはなりますが、今年は特にこの傾向が強く出てきたと言えます。
昨年、一昨年の同月と取引件数を比較しても、約65%に留まりました。
原因は上記の季節要因の他に、人気の会員権に需要が集中したことにより、人気商品が品薄となり取引件数に影響を及ぼしたものと思われます。

取引の状況を見てみますと、
今年になって初めてエクシブの取引件数が全取引数に占める割合で70%を超えました。
エクシブの取引件数自体は先月比で7%ほど減少したにもかかわらず、占有率が70%を超えたということは、他の会員権の取引件数が少なかったということになります。
そのような中でも、海のリゾートの会員権には動きがありました。例えば、逗子マリーナやエンゼルリゾート南熱海、鴨川リゾートクラブジャイロ等です。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
一番取引が多かった価格帯は100万円以下の会員権でした。
取引内容を見ますと、エクシブの取引は少なく、サンメンバーズとリゾートトラスト㈱発行以外の会員権で全取引の38%を占めました。

100万円以上300万円未満の会員権と300万円以上の会員権の取引件数は同数でした。
取引全体に占める割合は各31%なっています。
100万円以上300万円未満の会員権は全てエクシブで占められています。その殆どが交換グレードC(ラージ)の会員権となっています。
300万円以上の会員権は、エクシブのSグレードが多く、反面、例月より東京ベイコート倶楽部の取引が少なくなっています。これは、先月に多くの会員権が取引されたことで、一時品薄状態になったことによるものです。

 

2) 4月のリゾート会員権流通の特徴

4月は3月同様価格変動の多い月となりました。
そして、先月同様、値下がりの多かった会員権はエクシブで、値上がりの多かった会員権は東急ハーヴェストクラブということになりました。

値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
4月 28件 27件 241ポイント +4ポイント

4月に値上がりした件数は28件となっており、先月より1件多くなっております。
値上がりした会員権を見てみますと、今月も東急ハーヴェストクラブの値上がりが目立ちます。
市場に出ている会員権の約60%が値上げされています。
その他では、安い商品が取引されたことで、市場に安い商品がなくなり値上がりしています。

4月に値下がりした件数は27件あり、先月より4件少なくなっています。
4月は値下がりした会員権に特徴はありませんでした。
値下がり幅は、小さく価格の調整レベルのものが殆どでした。30万円以上値下がりしたのは3件のみでした。もっとも値下がり幅が大きかったのは70万円となっています。

最高値を更新したのは4件あり、先月と比較して1件少なくなりました。
最高値を更新した会員権の全てが東急ハーヴェストクラブ(VIALAを含め)でした。
中でも、東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山は4カ月連続で最高値を更新しています。2月から4月の3か月間は毎月10万円づつ値上がりしています。

一方、4月に最安値を更新した会員権は7件ありました。
その内6件がエクシブとなっています。
中でもエクシブ有馬離宮SEバージョンZは420万円から350万円へ70万円の値下がりとなっています。