1) 8月のリゾート会員権取引状況

8月は安倍内閣の内閣改造から始まりました。

そして、北朝鮮のミサイル発射、核実験など所謂「北朝鮮リスク」を巡って株価が3か月ぶりに19,500円割れとなり、少なからず我国の経済に影響があったと見ることができます。

一方、7月の輸出が8か月連続で増加、7月の消費者物価は7か月連続でアップするなど、経済は活発な動きを見せています。

このような状況の中でも、リゾート会員権市場は活発な動きを見せています。8月の取引件数を見ますと過去5年で最も多い年となりました。

取引された時期を見てみますと、お盆明けの16日以降に取引された割合が70%となっています。毎年お盆明けから問合せが多くなり、取引件数も増加する傾向にあります。

取引の状況を見てみますと、8月はエクシブ以外の会員権の取引が多い月となっています。
全取引の内、エクシブの取引割合が50%となりました。50%台になったのは平成27年12月以来のことになります。

内訳は、サンメンバーズの取引件数が多いということは言うまでもないことですが、特徴的だったのは逗子マリーナの取引件数が多かったことです。東日本大震災以降、取引件数が激減していましたが、8月に限ると人気が回復したように見ることもできます。

また、鴨川ジャイロの取引も多いことから、今年は海のリゾートに人気があったような感を受けます。

次に、取引された会員権価格を見てみます。

一番取引が多かった価格帯は、先月同様100万円以下の会員権でした。全体の54%がこの価格帯の取引でした。
取引された内訳は先月とは異なりサンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数が多かったこと、更には逗子マリーナやその他のクラブが万遍なく取引されていました。

次に多かった価格帯は100万円以上300万円未満の会員権です。先月はこの価格帯の会員権は全取引の36%でしたが今月は28%へ減少しています。これは、先月多かったエクシブ交換グレードC(ラージ)の会員権の取引件数が減少したことによるものです。今月はこの価格帯の殆どがエクシブの交換グレードE(スィート)で占められました。

最後に、300万円以上の高額商品の取引占有率は多少減ってはいますが、あまり変化はありません。

東京ベイコート倶楽部の取引件数は先月より減少しましたが、エクシブのSタイプ(スーパースィート)の人気は相変わらずで、安定的に取引件数を確保しています。
 

2) 8月のリゾート会員権流通の特徴

8月は値下がりした会員権の数が少なく、今年の2月以来の件数となりました。
売却を促進するための価格調整的なものでしたが、それほどの効果は認められませんでした。
一方、値上がりした会員権は先月同様の高水準となりました。

割安感のある会員権が取引されたことにより値上がりしたという事例が多い月となっています。

値上り会員権数 値下り会員権数 指数 前月比較
8月 28件 21件 249ポイント -3ポイント

8月に値上がりした件数は28件となっています。

値上がりした会員権中18件がエクシブとなっています。しかも、300万円以上の高額商品が6件占めています。エクシブSタイプの会員権の人気が窺えます。

エクシブ以外で値上がりした会員権は10件ありますが、その内300万円以上の会員権は7件となっています。このように、8月の値上がり商品は高額商品に多かったということができます。

また、東急ハーヴェストクラブは相変わらず値上がり件数が多くなっています。

 

8月に値下がりした件数は21件と、先月より13件少なくなりました。

21件中17件がエクシブとなっています。その中でも交換グレードA(スタンダード)の会員権が弱含みで動いています。エクシブも利用できるサンメンバーズ・ワールドホリデークラブと競合しているのではないかと考えられます。

全体として8月に値下がりした会員権は、そのほとんどが微調整の範囲に収まっています。

 

8月に最安値を更新した会員権は2件でした。白浜アネックスP(26泊)の275万円です。2か月連続で最安値を更新しております。

もう1件はエクシブ鳥羽F(26泊)で65万円から55万円への値下がりです。

 

一方、最高値を更新したのは2件で、いずれも東急ハーヴェストクラブでした。

1件目は京都で660万円から670万円へ、2件目は熱海伊豆山で790万円から830万円への値上げです。ロケーションの良い会員権は着実に値上げされているようです。