1) 12月のリゾート会員権取引状況

12月は株価の急落で振り回された感のある月となりました。

アメリカの株価は21792ドルまで値を下げ、我国の株価も2万円を割り込みました。
両国ともに1年3か月振りの安値を付けたことになります。

一方、国内景気は「いざなぎ景気」を超えたと内閣府からの発表があったことや、年末のボーナスの平均支給額が1975年調査開始以来の最高額となったようです。
かように、悲喜こもごもの12月となりました。

取引の状況を見てみますと、

12月のリゾート会員権流通市場は年末ということ、株価の急落などから動きの少ない月となってしまいました
お問合せ件数は昨年比で約17%アップしましたが、取引された件数は昨年比で30%ほど少なくなりました。
米中の貿易摩擦だけではなくトランプリスクで先行きの不透明感が影響したのではないかと思われます。

次に、取引された会員権価格を見てみます。

一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。全取引に占める割合が54%と先月とほぼ同数となりました。
取引は先月と異なり、ほとんどがエクシブの会員権で占められました。従前ですとサンメンバー・ワールドホリデーの取引件数も多かったのですが、今月は取引がありませんでした。
エクシブ以外で取引が多かったのがオアシスクラブとなっています。

次に取引が多かったのが100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引の27%となっています。
この価格帯の取引はすべてエクシブとなっています。取引された会員権のグレードを見てみると、ラージのノーマルタイプ(26泊)、スィートのバージョンZタイプ(12泊)の会員権となっています。

最も少なかったのが300万円以上の会員権でした。
全取引件数の19%がこの価格帯となりました。
先月と比較すると12ポイント下がっています。エクシブのスーパースィートの会員権が市場に少なかったこともあったのですが、株価の下落で購買意欲が低減してきているのではないかと推測されます。
値ごろ感のあるエクシブスーパースィートが市場に出てくれば、元に戻るのではないかと思われます。

 

2) 12月のリゾート会員権流通の特徴

12月の市場価格ですが、株価と同じく値上がり物件数は少なかったのですが、値下がり物件が記録的に多い月となりました。
しかも、その多くはエクシブとなっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
12月 18件 42件 223ポイント -32ポイント

 12月に値上がりした件数は18件で、今年1月以来11か月ぶりに10件台となりました。
値上がりした18件中、エクシブが8件、東急ハーヴェストクラブが6件となっています。
相変わらず、東急ハーヴェストクラブは値上りしています。他のクラブの価格推移と比較して、施設のグレードや予約の取得率などから説明のつかない市場価格の動きとなっています。

12月に値下がりした件数は42件となりました。40件を超えたのは過去5年間一度もない件数です。
値下がりした会員権はエクシブの34件、東京ベイコート倶楽部4件、東急ハーヴェストクラブ1件その他3件となっています。
受給バランスの中で価格が下がったものと思われます。
第一に、12月は動きが少なかったので成約件数を高めるために値下げをしたのではないか。
第二に、株価急落などで景気の先行き不安から、従前の価格では売却できないので価格を下げたのではないか。

12月に最高値を更新したのは4件でした。
値上がりした会員権は東急ハーヴェストクラブ旧軽井沢ネックス、熱海伊豆山、VIALA熱海伊豆山と東京ベイコート倶楽部12階(12泊)でした。特に東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山は1年間で160万円の値上がりとなっています。

一方、11月に安値を更新した会員権は13件でした。
その内11件がエクシブとなっています。
エクシブの交換グレードA(スタンダード)の値下がりに落ち着きが見えてきたところでしたが、京都八瀬離宮のAグレード13泊タイプの会員権が50万円割れで最安値を付けています。