1) 9月のリゾート会員権取引状況

9月は月初に台風21号と北海道の地震があり、落ち着かない月の初めとなりました。
相変わらず米中の貿易摩擦が燻っている事や大企業、製造業景況感3期連続悪化(日銀短観)しているなど、リゾート会員権流通市場へ悪材料となったようです。

9月のリゾート会員権市場は、8月の積み残しの刈取りが当初予想していたより少なかったようです。取引件数の昨年同月比で言うとマイナス19.6%となりました。

8月から連続して台風や地震などの災害があり、リゾートへの志向がネガティブになっていたのではないかと考えられます。

取引の状況を見てみますと、
エクシブの取引が全取引件数の78%となりました。70%台になったのは4月以来5か月ぶりということになります。
理由は、サンメンバーズの取引件数が少なかったこと、毎月複数の取引が行われていたオアシスクラブ、逗子マリーナなどの会員権に動きがなかったこと因るものです。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
一番取引が多かった価格帯は先月同様100万円以下の会員権でした。全取引の49%となりました。先月よりも13ポイント減少しています。
理由は、前述したようにサンメンバーズやその他の低額商品の取引数が減ったことに因るものです。

次に取引が多かったのが300万円以上の会員権となっています。
エクシブSグレードの会員権の需要があり、500万円以上の価格でも市場に出てくれば問合せが来るという状態となっています。また、東京ベイコート倶楽部の人気も堅実にあります。これは東京ベイコート倶楽部以外にも続々とベイコートブランドの施設が利用できるようになってきていることも要因と考えられます。

最も少なかったのが100万円以上300万円以下の会員権の取引でした。
但し、全取引中の22%で先月よりも3ポイントアップしています。アップした理由は100万円以下の会員権の取引件数が減ったことによるものです。
この価格帯で取引された会員権はエクシブのEグレード(スィート)が殆どとなっています。

 

2) 9月のリゾート会員権流通の特徴

9月の価格変動は値上がり、値下がり件数が近い数字となっています。

値下がりした会員権はエクシブの交換グレードA(スタンダード)が多くこの傾向は9月も続いています。
※会員権市場価格指数は今月から計算方法を変更しています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
9月 25件 22件 294.6ポイント +5.3ポイント

9月に値上がりした件数は25件となっており、先月より4件少なくなりました。
値上がりした会員権の多くは市場に出ていた会員権が取引され、安い商品が無くなったことによるものです。
毎月値上がり商品の多い東急ハーヴェストクラブですが、9月は先月と同数の5件となっています。あまり問合せのない東急ハーヴェストクラブ天城高原が値上がりしています。値上がりした原因が需要があることによるものか売り物件がないことによるものか、良く分からないところです。

9月に値下がりした件数は22件となっています。
やはり、今月もエクシブの交換グレードAの会員権が弱含みで推移しています。
特に、26泊タイプの会員権で20万円という価格の登録も出てきています。
価格としてはサンメンバーズとオーバーラップしてきています。

最高値を更新したのは1件でした。
東急ハーヴェストクラブVIALA有馬で、1,000万円から1,010万円と10万円の値上がりとなっています。

一方、9月に最安値を更新した会員権は2件でした。
その2件がエクシブとなっています。
1件はエクシブ伊豆Cタイプ(26泊)で40万円から30万円、もう1件はエクシブ鳥羽アネックスAタイプ(26泊)で25万円から20万円への値下がりです。