1) 1月のリゾート会員権取引状況

 昨年来2万円台を切っていた株価が年初に2万円台を回復し、今年の1年を占うには良い兆候かと思います。
同時に政府が公表した月例経済報告では景気が緩やかに回復しており2012年12月から始まった景気回復期間が戦後最長になる可能性があるとのこと。
庶民の景況感とは多少違和感があるかもしれませんが、経済のファンダメンタルはしっかりしているとみることができるのではないでしょうか。

取引の状況を見てみますと、
12月のリゾート会員権流通市場が良くなかったので、そのままの1月も動きの少ない月となるのではないかと危惧していましたが、上記のように特別なネガティブニュースがなかったこともあり、例年通りの市場となりました。
加えて、12月に値下がりした件数が多かったことから、値ごろ感のある会員権が市場に出てきたことも市場を活性化させた要因と言えます。
因って、問い合わせ件数も例年と同レベルが確保されております。
このように、リゾートクラブに対するニーズは底堅くあると認識できます。

次に、取引された会員権価格を見てみます。

1月においても、一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。全取引に占める割合が54%と先月と同数となりました。
会員権の内容を見てみますと、従前ではエクシブの取引件数が多かったのですが、1月はサンメンバーズ・ワールドホリデー、オアシスクラブなどの取引が多く、全体の64%がエクシブ以外の会員権の取引となっています。

次に取引が多かったのが100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引の37%となっています。先月比では10ポイント増加しています。
殆どがエクシブの会員権で占められていますが、ラージタイプであれば26泊の会員権、スィートタイプであれば13泊の会員権となっています。

最も少なかったのが300万円以上の会員権でした。
全取引件数の10%がこの価格帯となりました。
先月と比較すると10ポイント下がっています。先月同様に値ごろ感のあるエクシブのスーパースィートの会員権が市場に少なかったこともあったのですが、やはり、株価が低迷していることが遠因ではないでしょうか。

 

2) 1月のリゾート会員権流通の特徴

12月の流通市場は動きが悪かったので会員権価格を下げ、市場の活性化を図る動きが見えていました。
1月に入り市場に動きが出てきたこともあるのか、値下げ商品が少なくなり値上げした商品が増えてきました。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
1月 23件 30件 242ポイント +19ポイント

12月に値上がりした件数は18件でしたが、1月は5件増えて23件となりました。
12月の値下がり件数が40件を越えたことから安値感のある会員権が取引され、結果として会員権価格が値上がりした例が多く見受けられました。
値上がりした会員権を見てみますと、エクシブラージタイプの会員権が多く出ています。特に、100万円以下の会員権に動きがみられました。
気になるのは、商品はないが買登録制を採用して毎月のように登録価格を上げている例があります。東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山やVIALA熱海伊豆山、VIALA有馬、箱根翡翠委などがその例です。
特に東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山は毎月のように値上げしています。

1月に値下がりした件数は30件となりました。12月と比較すると54.7%減となっています。
値下りした会員権の多くが、価格調整程度にとどまっています。
また、値下がりの特徴としては、東京ベイコート倶楽部に値下がりした会員権が多かったことです。
理由は市場価格の相場観が見えていないことによるものと思われます。同じグレードの中で価格がバラバラだったものが、1月になり上下階での価格調整がなされた結果ではないでしょうか。

1月に最高値を更新したのはありませんでした。

一方、1月に安値を更新した会員権は3件で、先月と比べて10件少なくなっています。
その内2件がエクシブとなっています。
エクシブ淡路島Dタイプバージョンが20万円から15万円へ、エクシブ伊豆CタイプバージョンZが20万円から18万円へ値下りしています。
エクシブの交換グレードAの13泊タイプは20万円を割る会員権が増えてきています。