1)4月のリゾート会員権取引状況

今年1月から3月までのGDP=国内総生産は、年率換算で1.6%のプラスで、3四半期ぶりのプラス成長したことの発表がありました。加えて、新型コロナウィルス感染症が5類へ移行するという発表がされたことで経済活動が活発になってきたようです。例えば、百貨店では富裕層の買物が増え、売り上げがバブル期を越えたというニュースも伝えられています。

4月のリゾート会員権市場は活発な動きとなりました。
コロナ5類への移行による経済再開は行動の活発化をもたらし、リゾート会員権市場にも好影響をもたらせつつあるようです。
加えて、インバウンドの増加とともに、これからのリゾート需要に拍車をかける要因になると期待されます。
事実、取引件数は前月比で18%増となっています。
4月の取引状況を見ますと、取引された価格帯に大きな差はなく、万遍なく取引された月となりました。

今月、一番取引が多かった価格帯は100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引件数に占める割合が36%となり、先月より12ポイント多くなりました。
この価格帯の取引占有率が上がったのは、先月取引の少なかったエクシブ交換グレードE(スィート)の取り扱い件数が先月比で10.5倍となったことによるものです。
エクシブ交換グレードE(スィート)は値下がりした商品が多かったことで、交換グレードCの検討客がEグレードの会員権を買い易くなったことが要因と考えられます。

次に多かったのは、300万円以上の会員権でした。
全取引件数に占める割合は34%で、先月比で2ポイント下がりました。
取引件数は先月と同数でしたが、上記の100万円以上300万円未満の取引件数が多かったことで、この価格帯の占有率が下がってしまいました。
しかし、この価格帯の需要は減っておらず、相変わらず人気の商品となっています。

取引件数が最も少なかったのは100万円未満の会員権で、取引数の占有率は全体の30%となり前月比で6ポイント下がっています。
この価格帯の取引件数は先月とほとんど変わらないのですが、ほかの価格帯の取引件数が増えたことで、占有率も下がる結果となっています。
従って、この価格帯の需要が減った訳ではありません。


2) 4月のリゾート会員権流通の特徴

 今月の価格変動は比較的穏やかな件数となりました。
しかし、相変わらず、値下がり件数は値上がり件数より多い月となっています、
値下がりした会員権はエクシブSEタイプの会員権に多く見られました。これは価格の調整と見ることができ、値下がりした会員権の多くが取引されています。
市場の平均単価を見ますと先月よりも上がりました。理由は、新規で高額物件が市場に出てきたことによるものです。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
4月 24件 32件 356ポイント 8ポイント

4月に値上がりした件数は24件でした。
先月よりも5件増えています。
値上がり件数が多かったのは、エクシブ交換グレードSと東急ハーヴェストクラブとなっています。今月は高額物件の値上がりが多い月となりました。
特に、エクシブSグレードは値上がりしても人気の会員権となっています。

4月に値下がりした件数は32件となり、前月比で19件少なくなっています。
値下がり件数が多かったのは、エクシブ交換グレードSE、Eの会員権でした。結果として取引された件数も多くなりました。
先月より値下がり件数が減少したのは、エクシブ交換グレードA、東京ベイコート倶楽部となっています。全体として、少し落ち着いた市場となってきています。

4月に最高値を更新した会員権は5件でした。
東急ハーヴェストクラブは2件(蓼科アネックス、箱根甲子園)、エクシブ3件(伊豆Gタイプ13泊、白浜アネックスFタイプ13泊+宿泊券10枚、同じくHタイプ13泊)となっています。
但し、エクシブについては最高値を付けた会員権でも、同じ交換グレードのエクシブと比較して特別高い価格にはなっていません。

4月に最安値を更新した会員権は2件でした。
エクシブ鳥羽別邸SEタイプ(13泊)は3か月連続して最安値を更新しています。同じ交換グレードとの価格調整と見られます、もう1件はウィスタリアンライフクラブヴェルデの森東館でした。