1) 11月のリゾート会員権取引状況

11月も米中の貿易問題に見通しがつかない状況となっています。
国内的にも上記貿易問題の影響もあり、 6月~9月期の企業業績に減速感があると発表がありました。
少なからずリゾート会員権市場にも影響が出ているような感があります。

取引の状況を見てみますと、
11月のリゾート会員権流通市場は10月の買い控えとも思われる市場の反動があってか、例年と同レベルまで回復しました。
また、全体的には高級志向が続いており、高額物件に活発な動きが出ています。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
一番取引が多かった価格帯は100万円以下の会員権でした。全取引に占める割合が55%となりました。先月よりも8ポイント減少しました。
このように減少した理由は、エクシブの100万円以下の会員権取引割合が減少したことによるものです。
エクシブ以外の100万円の会員権取引件数は先月より微増となっています。

次に取引が多かったのが300万円以上の会員権でした。
全取引の31%がこの価格帯となっています。
エクシブSグレード(13泊)で市場に出ている会員権中83%が取引されました(取引されなかったのは3施設の会員権)。
その他で300万円以上の会員権として、東京ベイコート倶楽部ベイスィートで7件中3件が取引されました。

最も少なかったのが100万円以上300万円以下の会員権でした。
全取引件数の14%がこの価格帯となりました。
14%という数字は2015年3月以来の低い数字となりました。
この価格帯のほとんどがエクシブ交換グレードEとなっており、市場に出ている会員権数が少ないので取引件数も少なくなっています。

 

2) 11月のリゾート会員権流通の特徴

11月の市場価格は2か月連続で下がりしました。
エクシブ交換グレードAは下げ止まり感がみられますが、交換グレードEは値下がり傾向が出てきました。一旦値上がりしたものが、再び値下がってきているというのが現状です。

※会員権市場価格指数は9月から計算方法を変更しています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
11月 20件 32件 255ポイント -16.9ポイント

11月に値上がりした件数は20件となりました。
11月は値上がりした件数もそれほど多くなかった事に加え、殆どが調整程度の値上がりに留まっています。
値上がりした会員権の半数はエクシブとなっています。
エクシブ以外の会員権で値上がりした会員権9件中、6件が東急ハーヴェストクラブとなっています。

11月に値下がりした件数は32件となっています。
先月より3件少なくなっています。
値下がりが目立ったのは東京ベイコート倶楽部のラグジュアリ12泊(5階~12階)で、市場に出ている7件中4件が値下がりしています。しかも、値を下げた会員権の半分は取引されていきました。
興味深いのは東急ハーヴェストクラブ旧軽井沢で、今年初めての値下がりとなりました。年初は950万円だった市場価格が10月には1,100万円となり10か月で150万円も値上がりしましたが、11月になり1,045万円へ値下がりしました。今後の値動きが注視されます。

11月に最高値を更新したのは3件でした。
値上がりしたすべての会員権が東急ハーヴェストクラブです。
注目されるのが東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山です。
年初は880万円でしたが、6月と9月を除いて毎月値上がりしています。11月の取引事例として1,030万円が市場に表示されています。

一方、11月に安値を更新した会員権は2件でした。
2件ともエクシブとなっています。
しかも、エクシブの交換グレードAで、鳥羽IタイプバージョンZと淡路島Dタイプバージョンとなっています。
両会員権ともに底値圏と言っても良いのではないでしょうか。