1)11月のリゾート会員権取引状況

新型コロナの感染は増々拡大の状態が続いています。
一方、ワクチン開発も進んでいることから、トンネルの出口のかすかな明かりが見えてきたような気がします。
そして、コロナが社会構造自体へ影響し、働き方、消費行動など新しい生活様式が日常化してきています。
このような変化の中で、「リゾートクラブの在り方、存在価値」が問われることもあり得るでしょう。

リゾート会員権流通市場は、先月に引き続き活発な動きとなっています。
会員制ホテルの持つ良い意味での閉鎖性が、コロナ禍に於いても利用する上での安心感に繋がっているのではないでしょうか。
実際、利用された方の感想を聞くと、利用者に負担をかけないような運用システムで、ホテルサイドで厳重な安全対策が採られているとのことでした。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
11月に一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権で、全取引中61%を占めました。占有率が60%を超えたのは今年になって初めてです。
エクシブ交換グレードAの会員権の取引はそれほど多くなかったのですが、サンメンバーズ・ワールドホリデー、鴨川ジャイロ、その他のこの価格帯の会員権の取引数が多かったことが要因となっています。

次に多かったのは、300万円以上の会員権の取引で全体の中で28%を占めました。
相変わらず人気の高いエクシブSグレードの取引状況ですが、市場に出ている会員権中71%の会員権が取引されました。因って、エクシブSグレード(13泊)の会員権は極端な品薄状態となっています。
一方、東京ベイコート倶楽部も安定的に取引がなされています。多くの取引がありました。
ベイスィートは300万円台、ロイヤルスィートは 800万円から1100万円台で取引が行われています。

最後に、最も取引が少なかったのは100万円以上300万円未満の会員権でした。
全体の11%がこの価格帯の取引となっています。
この価格帯の会員権はエクシブの交換グレードE(スィート)と東急ハーヴェストクラブとなっています。この価格帯の東急ハーヴェストクラブの市場価格が高いこと、エクシブは市場に出ている会員権数が少ないことから取引件数も少なくなっています。

 

2) 11月のリゾート会員権流通の特徴

 11月の市場は値上がり件数の多い月となっています。
原因は、購入希望の問い合わせが多く、会員権の取引も多かったことにより値上がり傾向が強くなった結果と見る事ができます。そして、市場が強含みで動く中、値下がりした会員権数は減少した月となっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
11月 32件 17件 267ポイント +10ポイント

11月に値上がりした件数は32件でした。
先月同様、値上がりした会員権は高額な会員権が多く、東京ベイコート倶楽部のラグジュアリークラス、東急ハーヴェストクラブVIALAの値上がりが目につきます。
品薄状態にあるエクシブSグレードとサンメンバーズ・ワールドホリデークラブは強含みの市場となっています。

11月に値下がりした件数は17件でした。先月より9件少なくなっています。
値下り商品が多かったのは、エクシブでは交換グレードA、Cの会員権、東急ハーヴェストクラブでは軽井沢、那須となっています。特に那須は10月より弱含みで推移しており、東急ハーヴェストクラブでは珍しく昨年よりも40万円も値下りしています。
オアシスクラブも弱含みの動きとなっています。

11月に最高値を更新した会員権は5件となっています。
東急ハーヴェストクラブVIALAシリーズ7件中4件が最高値を更新しています。中でもVIALA京都鷹峯は2か月連続で値上がりしています。
東急ハーヴェストクラブ以外で最高値を付けたのが東京ベイコート倶楽部10階(12泊)の会員権で、年初から見ると120万円の値上がりとなっています。

一方、11月に安値を更新した会員権は5件でした。
先月と比較すると3件多くなっています。
中でも東急ハーヴェストクラブVIALA軽井沢は1570万円から1565万円へ値下りしています。この会員権が市場に出てきたのが今年の3月で、市場に出始めの価格が高かったこともあり、徐々に値下りしている過程と見る事が出来ます。因みに3月の市場価格は1590万円でした。