1)11月のリゾート会員権取引状況 

 クライナ戦争、エネルギー不安、インフレ、金利高、株価低迷などで、曇天のような毎日が続いた月となりました。
唯一、明るいニュースはサッカーワールドカップでした。
前述のように不安事象がカオスのように存在するストレスフルな社会には、フュージョン空間を享受できる「お祭り」が必要なのでしょう。

このような状況の中で、リゾート会員権に対する問い合わせ件数は減少することもなく推移しており、リゾート会員権に対するニーズは底堅く存在しているといえます。
リゾートクラブもストレスフルな現実の中で、自分らしく振舞える時空間として大切なアイテムと考えられているのではないでしょうか。

次に、11月の取引状況を見てみます。
今月、一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。
全取引件数に占める割合は48%となり先月比で16ポイント多くなりました。
要因は、エクシブの件数が増えたこと、特に100万円以下のラージグレードの会員権の取引が増えたことです。
加えて、サンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数も多かったのですが、それ以外で逗子マリーナオーナーズクラブ、鴨川ジャイロクラブ、オアシスクラブなどの取引件数も確保されています。

次に多かった価格帯は100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引件数における占有率は28%で、先月より2ポイント下がりました。
そのほとんどの取引はエクシブの交換グレードラージタイプとなっています。
この価格帯の取引は安定的に行われています。
但し、市場価格全体が弱含んでいますので、このカテゴリーの会員権は徐々に少なくなる可能性があります。

最も取引件数が少なかった価格帯は300万円以上の会員権で、全取引件数における占有率は24%となり、先月よりも15ポイントも減少しています。
減少した原因は、先月と比較しエクシブのSグレードの取引件数が約半減したこと、東京ベイコート倶楽部も40%減少したことによるものです。
特に、エクシブのSグレードの会員権で値ごろ感のある会員権は先月取引されたことで、今月の取引件数が減少しています。


2) 11月のリゾート会員権流通の特徴

 11月は値下がりした会員権の多い月となりました。
値下がり件数は、50件を超えました。
反面、値上がりした件数は4か月ぶりに20件台となりました。
今月も値下がり件数が多かったことで、市場に出ている会員権の平均単価が2か月連続で4%を超えて値下がりしています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
11月 23件 57件 362ポイント -17ポイント

 11月に値上がりした件数は23件でした。
先月より7件少なくなっています。
先月値上がり物件数の多かった東急ハーヴェストクラブの値上がり件数が半減したことが大きな要因となっています。
その他の会員権については先月とほとんど変化のない月となりました。

11月に値下がりした件数は57件でした。先月よりも9件増えています。
値下がりした件数が50件を超えたのは、2010年2月でしたので、12年ぶりのことです。
11月で値下がり件数が多かったのが東京ベイコート倶楽部で、前月比で7件多くなりました。
そして、その多くは値下がり幅が小さく価格調整程度に留まっています。

11月に最高値を更新した会員権は6件でした。先月より2件減りました。
東急ハーヴェストクラブが4件、東京ベイコート倶楽部が2件となっています。
相変わらず、東急ハーヴェストクラブで最高値を更新している会員権は、全て売り登録がない価格で購入者を募集している会員権です。

11月に最安値を更新した会員権は2件でした。
2件ともエクシブ湯河原離宮でした。この会員権は譲渡ができるようになって間がなく、譲渡開始直後は高値で市場に出てきたこともあり、暫く価格調整の期間が続くものと思われます。