1)2月のリゾート会員権取引状況

 コロナに対する規制が緩和され、日常活動が以前のような状態に戻りつつあります。
旅行需要も元に戻りつつある中、全国旅行支援が4月以降継続実施される都道府県もあり、引き続きリゾート会員権市場にも好影響が期待されます。

2月のリゾート会員権市場の動きですが、比較的安定した市場となっています。
稼働日数が少ない2月ですが、1月の取引件数とほぼ同じ状態がキープされました。因みに、昨年同月比では約1.5倍の件数でした。昨年2月はウクライナ紛争勃発前後の時期でしたので、比較にはならないかと思います。

次に、2月の取引状況を見てみます。
今月、一番取引が多かった価格帯は100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引件数に占める割合は38%となり先月比で13ポイントも増加しました。
エクシブCグレードで取引された会員権のほとんどが100万円を越えたこと、エクシブEグレードの会員権も先月より取引件数が増えていること等が原因として挙げられます。

次に取引件数が多かった価格帯は300万円以上の会員権でした。
全取引件数における占有率は33%で、前月比では19%下がりました。下がった原因はエクシブSグレードの取引件数が1月と比較すると2割減少したことによるものです。1月に値ごろ感のある会員権の多くが取引されたことで2月の取引件数が減少しました。
この価格帯の取引件数の減少を補填したのが、エクシブE及びSEグレードの会員権でした。

取引件数が最も少なかったのは100万円未満の会員権で、占有率は全体の25%となりました。
上記占有率が確保されたのは、この価格帯に属するサンメンバーズ・ワールドホリデー、逗子マリーナオーナーズクラブ、ウィスタリアンライフクラブなどの取引件数は落ちましたが、エクシブAグレードの会員権の取引件数が増えたことによるものです。
サンメンバーズ・ワールドホリデーが市場に出にくくなったことから、エクシブ交換グレードAを購入する顧客が増えたことが要因です。
逗子マリーナオーナーズクラブは季節要因があるので、寒い時期は取引件数が少なくなるのは已む得ないと思います。


2) 2月のリゾート会員権流通の特徴

 今月も値下がり物件の件数が多いのですが、市場価格全体平均価格は上がっています。
新規で市場に登録された会員権価格が高額であった為、平均単価を押し上げる結果となりました。この新規の高額物件をカウントしなければ、市場価格の平均単価は前月とほとんど変わらない結果となります。
新規に市場の出てきた会員権は芦屋ベイコート俱楽部と六甲サンクチュアリヴィラという高額商品ですので、同じような状況は続くと思われます。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
2月 18件 38件 355ポイント 6ポイント

2月に値上がりした件数は18件でした。
値上がりした会員権の多くは、安い商品が取引されることによる値上がりとなっています。この傾向が見うけられる会員権は人気の高いエクシブ箱根離宮、エクシブ京都八瀬離宮Sタイプ(13泊)等があげられます。

2月に値下がりした件数は38件でした。先月と同数となっています。
しかも、エクシブの値下がり件数も先月と同数になっています。
内容を見ますと、エクシブ山中湖を除くと、比較的新しく市場に出てきた会員権に値下がり商品が多いと言えます。
特に、芦屋ベイコート俱楽部や六甲サンクチュアリヴィラは、他の会員権との比較で価格がこなれてくるまでは値下がり傾向が続くものと思われます。

2月に最高値を更新した会員権は2件となっています。
東急ハーヴェストクラブ系会員権の2件でした。
東急ハーヴェストクラブ箱根甲子園が815万円から820万円へ、VIALA京都が1,320万円から1,325万円へ値上げされています。

2月に最安値を更新した会員権は5件でした。
エクシブ鳥羽別邸SE,Sタイプ(13泊)エクシブ湯河原離宮Sタイプ(13泊)、エクシブ六甲サンクチュアリヴィラ(13泊)、芦屋ベイコート俱楽部ベイスィート(12泊)、ラグジュアリスィー(12泊)トの5件となっています。
これらの会員権は市場に出てきてから比較的に間がないことから、価格調整過程にあるものと思われます。