1)9月のリゾート会員権取引状況

 インフレ懸念で米欧の金利上げ圧力が強くなっている中、ニューヨークダウが1か月で約10%値下がりし、その影響で日本の株価も日経平均で700円以上値を下げました。
インフレ状況と相まって、リゾート会員権流通市場には良い経済環境とは言えない月でした。

今月のリゾート会員権市場は、上記のように良好とは言えない中で、取引件数は確保されています。
夏の休暇にリゾートを愉しんだ人々が、リゾートクラブを購入されることが多く、例年、9月の流通市場は動きのあるものとなっているからです。

9月、取引が一番多かった価格帯は、先月同様100万円未満の会員権でした。
全取引件数に占める割合は44%で、先月比で4ポイント増えています。
この価格帯でもエクシブの取引が多いのですが、中でも、100万円未満の会員権のほとんどが交換グレード C(ラージ)タイプとなりました。ラージグレードのお部屋が50㎡~70㎡越ですので割安感があると評価された結果だと思われます。
その他では、サンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数が多い月となりました。

次に多かった価格帯は300万円以上の会員権となりました。
そして、全取引件数に占める割合は31%で、先月とほとんど同じ結果となっています。
但し、内容はかなり異なっています。先月はエクシブの S グレードの取引が多かったのですが、今月は SE グレードの取引件数が多い月となりました。
500万円台前半の金額でエクシブの S グレードが利用できるという点で、需要が掘り起こされたものと思われます。

最後は100万円以上300万円未満の会員権となりました。
全取引件数に占める割合は25%で先月より3ポイント下がっています。
先月はエクシブ交換グレード C(ラージ)の取引が多かったのですが、今月半減しました。交換グレード C の会員権が100万円未満へ値下がりした件数が多かったことによるものです。
一方、交換グレード E の会員権は先月値下がり件数が多かったことで、今月は取引件数が増え、占有率の下支えとなりました。


2) 9月のリゾート会員権流通の特徴

  今月の流通市場の値動きは落ち着いたものとなりました。
値下がりした会員権の数が、値上がりした会員権の数より多かったにも拘わらす、平均単価は先月より若干値上がりしています。
原因は値上がりした会員権の55%が300万円以上の会員権で、値上がり幅大きかったことにあります。
また、市場価格の低い会員権は価格が安定してきているので、価格の変動を気にしないで購入検討ができる状況となっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
9月 29件 31件 366ポイント 2ポイント

9月に値上がりした件数は29件で、先月よりも3件多くなりました。
値上がり傾向が見られたのは、東京ベイコート倶楽部ベイスィートでした。先月取引された会員権が多かったことで安い商品が市場から消え、値上がりしています。
その他では、人気のサンメンバーズ・ワールドホリデーも強含みで市場価格が推移しております。

9月に値下がりした件数は31件で先月よりも6件少なくなっています。
先月値下がり件数の多かったエクシブ軽井沢、白浜アネックスの会員権に値下がり件数が殆どなかったことが要因と言えます。
逆に値下がり件数が多かった会員権はエクシブ有馬離宮でした。市場に出ている会員権の半分が値下がりしています。
東急ハーヴェストクラブも高額物件に値下がりした会員権が出ています。

9月に最高値を更新した会員権は1件でした。
エクシブ白浜アネックス J タイプ(13泊)97万円から98万円への値上がりです。
最高値更新の常連だった東急ハーヴェストクラブは最高値更新物件が出ていません。

9月に最安値を更新した会員権は4件です。
エクシブ湯河原 SE タイプ(13泊)は2か月連続の最安値更新です。その他は、鳥羽別邸 S タイプ(13泊)、芦屋ベイコート俱楽部ロイヤル、グランリゾートプリンセス富士河口湖エレガンテの4件となっています。
これらの会員権は流通市場に登録されてから間がないので、この値下がりは許容範囲内と言えます。