1)4月のリゾート会員権取引状況
4月はトランプ大統領が振り上げた拳の落としどころを探している月と見られます。
関税交渉相手の出方次第で、落としどころを迷っているので、世界が大変迷惑しているように思えます。
一方、
我国の経済状況は米を始めとする物価高で日常生活を切り詰めている一方で、欲しいものは購入するという傾向もみられ、それがGDPの下支えとなっているようです。
上記のような経済環境の中で、取引件数を昨年同期と比較するに、同数が確保されています。その意味で、リゾート会員権市場は堅調に推移していると見ても良いのではないでしょうか。
取引された会員権の内訳を見てみますと、高額商品と低額商品都の2極化が見られます。これは、リゾート会員権に対するニーズの表象と言えるでしょう。
次に、具体的な市場の動きを見てみます。
4月に取引が多かった価格帯は先月同様、300万円以上の会員権となりました。全取引に占める割合は40%で、3月より2ポイント増加しています。
エクシブの高額物件が安定的に取引されていることに変化はないのですが、ベイコート倶楽部の取引件数が高止まりしている状況が続いています。アーバンリゾートへの利用価値の評価が確立してきているのではないでしょうか。
次に取引された価格帯は100万円未満の会員権でした。全取引に占める割合は40%で先月より7ポイント高くなりました。
この価格帯の取引件数はエクシブ交換グレードC(ラージ)とサンメンバーズ・ワールドホリデーが多くを占めています。
そして、人気の源泉は投資効率が良いことです。即ち、100万円以下の価格で高級ホテルの利用ができることで、一般のホテルと比較して利用料金に割安感があります。また、サンメンバーズ・ワールドホリデーについてですが、価格が廉価であるにも拘わらず高級リゾート施設のエクシブが利用できるとことから人気の高い会員権となっています。
最後は、100万円以上300万円未満の会員権の取引でした。全取引に占める割合が20%で先月より9%減となりました。
この減少はベイコート倶楽部でこの価格帯の会員権の取引件数が減ったことに因るものです。原因は、先月に割安感のあった会員権が多く取引されたことで、今月の取引件数が減少しました。
2) 4月のリゾート会員権流通の特徴
4月の市場価格の動きですが、3月同様全体的には値動きの少ない月でしたので、落ち着いた市場となっています。
そのような中、エクシブの100万円未満の会員権の値下がり件数が3月の3分の1まで減少した一方、東急ハーヴェストクラブは値下がり件数が増えており、先月比で2倍以上となっています。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指 数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
4月 | 24件 | 33件 | 310ポイント | ±0ポイント |
4月に値上がりした件数は24件で、先月よりも1件多くなくなりました。
エクシブで値上がりした会員権の60%は、3月に安い会員権が取引され値上がりしたものでした。
中でも、エクシブで100万円以上300万円未満の会員権の値上がり件数が先月比で倍増しています。
4月に値下がりした件数は33件で先月より2件減少しました。
一番値下がりした件数が少なかったのは、エクシブの100万円未満の会員権でした。先月10件値下がりしましたが今月は3件のみでした。特にエクシブ交換グレードC(ラージ)の会員権の値下がりは1件(先月は8件)に留まっています。これは、離宮シリーズを除くエクシブ交換グレードC(ラージ)の会員権価格がほとんど同じ価格帯になってきたことによるものと思われます。
4月に最高値を更新した会員権はありませんでした。
これは、東急ハーヴェストクラブとエクシブで比較的新しく市場に出てきた会員権に落ち着きが出てきたことに因るものと推察されます。
4月に最安値を更新した会員権は4件でした。先月より1件増えました。
淡路島Hタイプ(13泊)150万円→145万円、鳥羽別邸Sタイプ(13泊)670万円→660万円、軽井沢パセオEタイプ(13泊)420万円→350万円、鳴門Cタイプ(13泊)58万円→50万円へ其々最安値を更新しました。軽井沢パセオEタイプ(13泊)の値下がり額が大きかったのは、420万円で3か月動きが見られなかったことの反動で値下がり幅が大きくなったものと思われます。