1)8月のリゾート会員権取引状況
今年の8月は予想通りの飛び切りの暑い暑い夏でした。
実質賃金が前年同月比で0.5%増えたことやボーナスの増加などと相まって、避暑や体力回復の為、リゾートへ行かれた方も多かったのではないでしょうか。
しかし、8月のリゾート会員権市場の動きは、例年通りとなり期待を下回った感があります。
取引状況を見ますと取引件数は前年同月と同じでしたが、前月との比較では87%に留まりました。
賃金、ボーナスが増えたとしても、余裕資金が潤沢になったとまでは言えないことから、イニシャルコストのかかる会員権までは手が回らないというところかもしれません。
しかし、旅行支出は減らしたいが余暇も楽しみたいというニーズは多くの方が持っておられ、利用料金の安い会員権を購入し旅行支出を抑えながらレジャーを楽しもうと考える方も増えています。リゾート会員権市場が底堅く動いているのはこれらのニーズに支えられているからでしょう。
次に、具体的な市場の動きを見てみます。
全取引に占める割合が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。全取引に占める割合は41%でしたが、前月より4ポイント下がっています。
これは単に、サンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数が前月の半分以下まで下がったからです。理由は、市場にサンメンバーズ・ワールドホリデーの商品が減ったことに因るものです。
その他の会員権は前月同様、堅調に取引がなされています。
次に取引件数が多かったのは100万円以上300万円未満の会員権で、全取引に占める割合は41%となり、先月より20ポイント増加しています。因みに、100万円未満の会員権と占有率が同数となりました。
占有率が上がったのは、先月取引件数が減少したエクシブ交換グレードCの会員権が今月は4倍増となったことによるものです。特に、人気のエクシブ箱根離宮、京都八瀬離宮の会員権が複数取引されています。これらの商品は強気の相場となっています。
最後に最も取引件数が少なかったのは300万円以上の会員権となりました。
取引件数が前月より半減したことで、全取引に占める割合は18%となり、7月より16ポイント減少しています。
エクシブ交換グレードSEの会員権価格が中途半端になっていること、エクシブ交換グレードSの会員権が高止まりしていること、東京ベイコート倶楽部ロイヤルスイートの会員権が前月割安感のある会員権の多くが取引されてしまっていることなどから取引件数が減少しました。これらの会員権は前月比で75%減となっています。ただ、問い合わせ自体は減少していないので、商品が市場に出てくれば取引件数は回復するものと思われます。
2) 8月のリゾート会員権流通の特徴
価格の変動状況を見ますと、先月より値上がり、値下がりともに減少しています。因って、市場としては安定したものとなっています。
今月の特徴は、エクシブの価格変動でした。
従前の価格変動は値下がり件数が値上がり件数を上回っていたのですが、今月はともに21件となりました。これは、新規に出てきた会員権の市場価格が落ち着いてきたことによるものです。
一方、9月から横浜ベイコート倶楽部が譲渡解禁になりますので。市場価格の平均単価の上昇が見込まれます。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指 数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
8月 | 21件 | 21件 | 326ポイント |
1ポイント |
8月に値上がりした件数は25件で先月より4件少なくなりました。
先月より値上がりした件数が少なくなったのは、東京ベイコート倶楽部の取引が半減したことによるものです。
その他に値上がり件数が少なかったのは、取引された会員権が少なかったことで、次の登録価格が市場価格としてカウントされなかったからです。
一方、値上がり件数が前月より増えたのはエクシブの100万円未満の会員権でした。前月比で1.75倍となっています。
8月に値下がりした件数は32件で、先月より4件少なくなりました。
値下がりした会員権で倍増したのがエクシブ交換グレードSでした。このグレードの会員権の取引件数が少なかったこともあり値下げ傾向が出てきたものと思われます。
また、従前、価格変更が少ない東急ハーヴェストクラブですが、今月は4件値下がり物件が出ています。何ケ月も動きのない会員権について値下げする事例が出てきています。
8月に最高値を更新した会員権1件でした。
東急ハーヴェストクラブ蓼科で450万円から455万円へ5万円の値上がりとなっています。
8月に最安値を更新した会員権は1件でした。
エクシブ白浜アネックスMタイプ(13泊)で70万円から48万円への値下がりでした。エクシブ白浜アネックスで同じ交換グレードの会員権と価格が調整された結果でした。