リゾート会員権流通　２０２５年９月

９月は石破首相が自民党の総裁を辞することから始まり、政治が専ら１政党の内部問題で終始した感がありました。
その間、政治・経済の空白状態が続き、特に、物価高騰への対応などはおざなりになってしまったようです。

リゾート会員権市場ですが、９月は夏季休暇を利用してリゾートへ出かけた方がリゾート会員権購入へと動かれる傾向が見られる月ですが、今年も例年の如く活発な動きを見せました。
今年の取引件数は前年同月と比較すると１．６倍となりました。
要因として考えられるのは、８月に訪日外国人が過去最高の３００万人を超えたこと、即ち、観光ホテルへ多くの外国人観光客が宿泊したことから、良い意味で閉鎖的な会員制ホテルが見直されたこと、更には、リゾートトラスト株式会社が発行しているリゾート会員権の名義変更料の値上げ時期が迫ってきたこともあり、購入への動きが活発になってきたことの影響が考えられます。

次に、具体的な市場の動きを見てみます。
９月も全取引に占める割合が多かった価格帯は１００万円未満の会員権でした。全取引に占める割合は４０％で前月と殆ど同じ占有率となっています。
内容を見ますと、エクシブ交換グレードAの会員権で１０万円台に値下がりした会員権の多くが取引されたこと、及び、１００万円以下のエクシブ交換グレードCの会員権で市場に出ている半数以上が取引されました。
また、９月のサンメンバーズ・ワールドホリデーの取引状況ですが、８月より倍の件数が取引されました。この会員権は市場に出てくれば取引されるという状態が続いています。

次に取引件数が多かったのは１００万円以上３００万円未満の会員権で、全取引に占める割合は３２％となり、先月より９ポイント減少しました。但し、取引件数は８月より２８％増えています。今月はエクシブ京都八瀬離宮、有馬離宮交換グレードCの会員権に割安感のある会員権が多く登録されたことで、それらの会員権が取引されていきました。
勿論、エクシブ交換グレードEの会員権も堅調に取引されています。

最後に最も取引件数が少なかったのは３００万円以上の会員権となりました。全取引に占める割合は２８％で、８月より９ポイント増加しています。これは取引件数が前月比で２．６倍増になったことによるものです。
この数に貢献したのはエクシブ交換グレードSの会員権です。件数にすると６．５倍も増えています。
内訳を見ますと、値下がりした会員権の半数が取引されたことに加え、価格の変動がなかった会員権でも４５％以上が取引されています。この現象は高額物件に対する需要が底堅く有るという事ではないでしょうか。

２） ９月のリゾート会員権流通の特徴

市場の価格変動は先月同様比較的少なく、安定した市場になっています。
従前値動きの多かったエクシブ交換グレードA、同Cグレード１００万円未満の会員権に一定の相場観が形成されてきたことにより価格に安定感が出てきたと見受けられます。
９月にリゾートトラスト株式会社が発行した横浜ベイコート俱楽部の譲渡禁止期間が徒過し、市場に商品として出てきました。この会員権は高額商品なので、会員権の平均単価が上がっています。