1)5月のリゾート会員権取引状況

 5月もトランプ関税を廻り世界経済に影響が出ています。
加えて、大手格付け会社のムーディ-ズが米国債の信用格付けを下げたことから金融市場に水を差す可能性も出てきています。
このような不安定な経済状態は暫く続くのではないでしょうか。
我国においても先行き不透明感から日銀は金利を据え置き、成長率見通しも下方修正しています。

リゾート会員権の流通市場は取引される価格帯によって取引件数の増減はありますが、全体としては底堅い動きとなっています。証左として取引件数を見てみますと、前年同月比で3%減少しましたが、前月比では14%増加しています。このように現状に於いては、流通市場は淡々と推移していると見ることができます。
例年季節要因かもしれませんが、逗子マリーナや鴨川リゾートクラブジャイロなど海のリゾートの会員権への問合せが増えてきますが、今年もその例にもれずに動きが出ています。
また、ウィスタリアンライフクラブの問合せも出てきています。事業母体が変わったことで動きが悪かったのですが、実際の運営方法について不安が払しょくされつつあるものと推察されます。

次に、具体的な市場の動きを見てみます。
全取引に占める割合が多かった価格帯は100万円未満の会員権でしたが、全取引に占める割合は37%で前月より3%減少しています。
相変わらず人気の高いサンメンバーズ・ワールドホリデーの取引が多い月となっています。
加えて、夏のリゾートシーズンを控え逗子マリーナオーズクラブの取引も複数出てきています。このクラブは海水浴をはじめ、周辺の観光資源を楽しむための基地として利用されています。

5月は100万円以上300万円未満の会員権の取引が先月より倍増しました。結果として全取引に占める割合が37%で先月より17ポイント増となりました。
要因はエクシブ交換グレードE(スイート)の取引件数が前月比で2.5倍になったことです。
このクラスの会員権は2ケ月連続で値下がりした件数が多かったことから、買い易い商品が市場に出てきたことに因るものです。加えて、100万円以上のエクシブ交換グレードC(ラージ)の取引件数も1.75倍になっています。

5月に取引件数が少なかった価格帯は300万円以上の会員権となりました。全取引に占める割合は26%で、4月より14ポイント減少しました。
この結果はエクシブSE グレードの会員権及びベイコート倶楽部の300万円以上の会員権の取引件数が少なかったことに因るものです。

 

2) 5月のリゾート会員権流通の特徴

2ケ月続けて市場の値動きは少なかったのですが、5月は値下がり件数が増加しました。
先月と比較して値下がりした件数が増加したのはエクシブの100万円未満の会員権で、同じ交換グレード間での価格調整により値下げされた例が散見されます。一方、先月値下がり件数の多かった東急ハーヴェストクラブは値下がり件数が減っています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
5月 27件 38件 307ポイント
-3ポイント

5月に値上がりした件数は27件で、先月よりも3件多くなりました。
値上がりした事例を見てみますと、4月に取引されたことによる値上がりとなっており、エクシブの場合50%、東京ベイコート倶楽部の場合75%がこのケースとなっています。
この事実から、市場に登録されている件数が少ない会員権ほど価格変動の多い商品となっています。

5月に値下がりした件数は38件で先月より5件増えました。
一番値下がりした件数が多かったのがエクシブ100万円以下の会員権でした。中でもエクシブ交換グレードC(ラージ)の会員権は前月の6倍となっています。原因の多くが数ケ月間市場に出たままで動かなかった会員権の値下がりです。
但し、その値下がり幅は小さく価格調整程度のものでした。

5月に最高値を更新した会員権は、前月同様ありませんでした。

5月に最安値を更新した会員権は4件で先月と同数でした。そして、全てが全てエクシブでした。
淡路島D タイプ(13泊)20万円→15万円、伊豆Hタイプ(13泊)250万円→200万円、那須白河E タイプ(13泊)265万円→245万円、白浜アネックスYタイプ(13泊)80万円→60万円へ其々最安値を更新しています。値下げされた要因を見てみますと、エクシブ伊豆H タイプの会員権は250万円で1年間全く動きがなかったので、値下げされた経緯があること、その他の会員権は同じ交換グレードの会員権との価格調整と見られます。