1)6月のリゾート会員権取引状況

 米国の対日本に対する関税率交渉は遅々として進んでいません。
その間、為替相場、株式相場は安定感のない動きを見せており、経済の不透明感が拭えない状態が続いています。

リゾート会員権の流通市場は安定した動きとなっています。
取引件数は昨年と比較して6%増加しており、取引される価格帯によって取引件数の増減はありますが全体としては底堅い動きとなっています。
取引されている価格の傾向が5月頃から以前と異なってきており、中間価格帯(100万円前後)の会員権に動きが出てきています。リーズナブルな価格帯及びランニングコストが抑えられている点に注目されているのではないかと想像されます。

 次に、具体的な市場の動きを見てみます。
全取引に占める割合が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。全取引に占める割合は42%で前月より5ポイント占有率が上がりました。
内容を見て見ますと、エクシブ交換グレードC(ラージ)の取引件数が増加したことに加え、エクシブ交換グレードA の会員権や鴨川リゾートクラブジャイロ、逗子マリーナ、オアシスクラブなどが安定的に取引されていることなどが要因と考えられます。

 次に取引件数が多かったのが100万円以上300万円未満の会員権となりました。
先月より取引件数が減ったことで、全取引に占める割合が31%に留まりました。因みに、先月より6ポイント下がりました。
先月取引件数の多かったエクシブ交換グレードE の会員権の取引件数が約半減したことで占有率も下がってしまいました。値ごろ感のある会員権が減少したことによるものです。
一方、エクシブ交換グレードC の会員権の取引件数は先月より30%増えています。

 最後に取引件数が少なかった価格帯は300万円以上の会員権となりました。
全取引に占める割合は27%で、4月より1ポイント増えました。
東京ベイコート倶楽部、エクシブS グレードの取引件数は増加したのですが、エクシブE 及びSEグレードの会員権が1件も取引されなかったことで占有率が上がりませんでした。

 

2) 6月のリゾート会員権流通の特徴

市場価格の変動件数は先月とほとんど変わらない月となりました。
市場としては、落ち着いたものとなっています。
そのような中でも価格の変動の多かった価格帯は300万円以上の会員権で、価格変動した会員権の約40%がこの価格帯の会員権でした。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
6月 27件 34件 320ポイント
13ポイント

 6月に値下がりした件数は34件で先月より4件減少しました。
一番値下がりした件数が多かったのが東京ベイコート倶楽部5階から12階のベイスイートでした。8フロア中5フロアの会員権が値下がりしました。値下がりした要因は各階の価格差のバランスが崩れたことによる価格調整の結果とみられます。
また、価格設定が難しいエクシブ軽井沢パセオも値下がりしています。ゴルフ会員権付きの会員権なので、ゴルフ会員権としての評価が難しいことが市場価格に反映しているのではないかと想像されます。

 6月に値上がりした件数は30件で、先月より3件多くなっています。。
値上がりした事例を見てみますと、5月に取引されたことによる値上がり事例が殆どでした。中でも、エクシブ琵琶湖交換グレードE(スイート)は4件中3件、東京ベイコート倶楽部ロイヤルスイート9件中5件が値上がりしています。今後、値上がりした価格でも取引がされるか気になるところです。

 6月に最高値を更新した会員権は、3件ありました。全て東急ハーヴェストクラブとなっています。
東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山:1460万円→1870万円、蓼科:420万円→450万円、鬼怒川:400万円→425万円となっています。これらの会員権は暫く市場に出ていなかった会員権です。

 6月に最安値を更新した会員権は4件で先月と同数となっています。全てエクシブでした。
軽井沢パセオEC タイプ(26泊):350万円→295万円、鳥羽別邸SE タイプ(26泊):900万円→750万円、淡路島D タイプ(26泊):20万円→15万円、六甲S タイプ(13泊):550万円→540万円へ其々値下がりしています。前の2つの会員権は同じ交換グレードの会員権との価格差があり過ぎたことの値下げで、後ろの2つの会員権は価格の微調整としての値下げとなっています。