1)7月のリゾート会員権取引状況

 米国との関税に関していろいろな条件はあるものの、自動車関税、相互関税ともに15%で合意できたようです。これを受けて日本株も上昇し、日経平均が4万円台を回復しました。

7月のリゾート会員権市場も活発な動きをみせております。
取引状況を見ますと取引件数が先月比で12.7%増加しました。
背景として、例年にない暑い夏の影響で生活環境からリゾート地へというニーズ、米国との関税問題に一応のめどがついたことによる安堵感等が考えられます。
市場の動きとしてはエクシブの高額商品の取引件数が前月比で2倍となった反面、芦屋及びラグーナベイコート倶楽部の取引が減少しました。

次に、具体的な市場の動きを見てみます。
全取引に占める割合が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。全取引に占める割合は45%で前月より3ポイント上がりました。
このことは、サンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数が前月の2倍以上となったこと、及び、エクシブのスタンダードタイプの会員権が割安になり、買い易い商品が市場に出てきたことによるものです。
その他では、鴨川リゾートクラブジャイロの問合せが多くなっています。夏に向かって需要が出てきたこと、購入手続きが簡潔で、契約から利用できるまでの期間が短いという事も購入へのハードルを低くしています。加えて、湘南の海を楽しめる逗子マリーナの問合せも増えています。

次に取引件数が多かったのが300万円以上の会員権でした。
全取引に占める割合は34%となり、先月より7ポイント増加しました。
エクシブの高額物件に対する引きが強く、前月取引されなかった会員権が今月は同額でも取引される例が多く出ています。
反面、芦屋、ラグーナベイコート倶楽部の取引件数は、先月取引件数と比較すると37.5%に留まっています。先月多くの取引が行われたことで、購入希望者が減少したことと、会員権価格が値上がりしたことによるものです。

最後に取引件数が少なかった100万円以上300万円未満価格帯の会員権となりました。
全取引に占める割合は21%で、6月より6ポイント減少しています。内容を見ますと、エクシブ交換グレードC で100万円以上の会員権の登録件数が少なくなったことで取引件数も減少してきています。
反面、同じ価格帯のエクシブ交換グレードE の会員権は堅調に取引されています。エクシブオーナーのランクアップ需要の受け皿となっているのではないかと考えられます。

 

2) 7月のリゾート会員権流通の特徴

市場に出ている会員権の価格変動から市場を見ますと、安定したものとなっています。
即ち、毎月の価格変動数がほとんど変わらない状態が続いています。同時に、値上がり件数と値下がり件数が以前ほど差がなくなってきています。
そのような中、6月と比較して300万円以上の会員権の値動きの多い月となっています。それだけ、この価格帯の取引が多かったという事ができます。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
7月 29件 36件 325ポイント
5ポイント

7月に値下がりした件数は36件で先月より2件増加しました。
先月より値下がり件数が増えたのは、東京ベイコート倶楽部、東急ハーヴェストクラブの値下がり件数が増えたことによるものです。
具体的には、東京ベイコート俱楽部ラグジュアリスイート以上の会員権の値下がり件数が多い月となっています。これは先月値上がりした件数が多かったことの反動とみられます。
また、東急ハーヴェストクラブの値下がり件数も先月比で2倍となっています。この値下がりはエクシブの市場価格との比較に於いて肯首できるところです。

7月に値上がりした件数は29件で、先月より1件少なくなりました。
値上がりした事例を見てみますと、先月と同様、取引されたことによる値上がり事例が殆どでした。
そして、値上がり会員権の多くが高額会員権だったことから、値上がり幅も大きくなっています。結果として、会員権の平均単価を上積みする形になりました。

7月に最高値を更新した会員権はありませんでした。

7月に最安値を更新した会員権は、エクシブ六甲サンクチュアリ・ヴィラ(13泊)の1件のみでした。
価格は540万円から530万円への値下がりで同月内に取引されております。そして、市場は550万円へ値上がりしました。