1)5月のリゾート会員権取引状況
取引状況
3月上旬に始まったイラン戦争は5 月になっても収束する気配が感じられません。そのような状況の中で日本の株価(日経平均)は1か月で6800 円以上値上がりしました。
この株価の高騰は、投資家や富裕層に大きな含み益(資産効果)をもたらしていると想像されます。
・ 株式市場で得た利益や資産価値の上昇が、旅行やレジャーといった「ライフスタイルの充実」を目的としたリゾート会員権 の購入資金へと回っている可能性が考えられます。
・ 経済的な豊かさを実感することで、高額な耐久消費財や会員権に対する購買心理が前向きになります。
このような経済的背景に加え、夏休みのハイシーズンに人気施設を確保するという季節的な需要期が加わったことで、様子見をしていた潜在的購入層が購入へと動いたと推測されます。結果として、取引件数が前月比33%増加しました。
価格帯別の動き
■ 100 万円未満の会員権
5 月の取引件数は全体の 31% を占めましたが、前月比で4 ポイント減少しました。 この減少の要因は、全体に取引件数が増加した割にこの価格帯の取引件数が伸びなかったことによるものです。
但し、エクシブ交換グレードA の会員権の取引件数だけは増加しました。お買い求めやすい価格帯の会員権が市場に流通したためです。今後はサンメンバーズやワールドホリデーとの競合により、さらに価格が下落する可能性も考えられます。
一方、鴨川リゾートクラブジャイロや逗子マリーナの取引は堅調に行われています。特に、これからは湘南の海のリゾートとして逗子マリーナの問合せが増えてきます。
■ 100〜300 万円の会員権
この価格帯は全体の 30% を占め、前月比で5ポイント減少しました。
この価格帯の会員権の取引状況ですが、ベイコート倶楽部の取引件数が60%以上増えたのですが、エクシブが22%減少したこと、東急ハーヴェストクラブの取引がなかったことで全体として占有率が下がりました。
特に、ベイコート倶楽部で300 万円以下の会員権が市場に多く出てきたことから、取引件数が増えました。
前月比で26%増加しています。ベイコート倶楽部で300 万円割れの会員権は価格帯との比較で商品性の高い会員権と評価されたものと思われます。
■ 300 万円以上の会員権
当月における300万円以上の高価格帯会員権の取引件数は、全体シェアの39%を占め、前月比で10ポイントの大幅な増加となりました。この急増の背景には、昨今の株価高騰に伴う資産効果(キャピタルゲイン等)により、市場へ潤沢な余剰資金が流入したことがあると推察されます。
特にエクシブでは最上位の「Sグレード」が堅調に推移していることに加え、「SEグレード」の取引件数が急増しました。従来「Eグレード」を検討していた購買層が、資金的余裕を背景に予算を上方修正し、ワンランク上の「SEグレード」を選択する傾向が見られたからです。
2) 5月のリゾート会員権価格の動向
全体として安定した市場
5 月は2 ケ月連続で値上がり件数が値下がり件数を上回りました。値上がり件数が多かったのは値ごろ感のある会員権が取引されたことで次の登録価格の会員権が市場に出てきたことによるものです。
ただ、全体として価格変動した件数が先月よりも少なかったことで安定した市場となりました。
| 値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指 数 | 前月比較 | |
|---|---|---|---|---|
| 5月 | 30件 | 25件 | 376ポイント |
+9ポイント |
■ 値上がり動向
5 月に値上がりした銘柄(物件)は30 件で、前月より9 件減少しました。値上がりした会員権の内訳をみると、300 万円以上の高額価格帯が約57%を占めています。このように高額物件の値上がりが目立ったことが、全体の平均単価を押し上げる結果となりました。
今月、特に買い手の強い支持を集めて値上がりを牽引したのは「ベイコート倶楽部」です。高いブランド力と充実した施設、厳格なセキュリティ体制で定評があり、身近に非日常を楽しめるアーバンリゾートとして利用価値の高さが改めて評価された形です。
■ 値下がり動向
4月に値下がりした件数は25 件で、先月より1 件増えています。
先月より値下がり件数が増加したのはエクシブ交換グレードA、交換グレードC となっています。
エクシブ交換グレードA の会員権は殆どが40 万円台から20 万円台への値下がり、エクシブ交換グレードC の会員権は100 万円越えの会員権の値下がりが多くなっています。この値下がりは取引価格模索の価格調整とみられます。
加えて、東京ベイコート倶楽部ベイスイートの値下がりが先月同様多い月となりました。
■ 最高値更新
5月に最高値を更新した会員権は2件でした。
最高値を付けたのは東京ベイコート俱楽部17 階で1200 万円から1250 万円、芦屋ベイコート俱楽部ロイヤルスイート950 万円から1000 万円へ其々値上がりしています。
2 物件ともに売り物件がなくなったことによる値上がりとなっていますが、この値上がりで取引されるか注視されるところです。
■ 最安値更新
5月に最安値を更新した会員権は1件でした。
エクシブ山中湖G タイプ(26 泊)で90 万円→80 万円への値下がりでした。
当該物件は80 万円への価格改定が行われ、同月内に売買契約が締結されました。これは、市場から「資産内容に対して割安感のある会員権」との評価を得たためであり、下値水準における購買需要の堅調さを示す取引となりました。


