1)6月のリゾート会員権取引状況

新型コロナウィルス緊急事態宣言が5月25日全面解除されたことに続き、6月11日には「東京アラート」も解除され、休業要請を受けていた業種も制約なしに活動ができるようになりました。
しかし、経済環境は日銀の短観を見る限り、6月の大企業の景況感を示す業況判断指数はマイナス34となり、リーマンショック以来の低い数字となっており、改善したとは言えません。

リゾート会員権流通市場は、5月に回復の兆しが見えてきて、更に6月は従前の市場に戻ったような市場となっています。
リゾートクラブ施設の利用者の多くは会員様及びそのご紹介者なので、ある意味閉鎖的な施設と見る事ができ、コロナに対する対応も取り易いことが安心感につながり、リゾートクラブへの問い合わせを増加させたものと考えられます。
しかし、まだまだ、コロナの影響がある中なので、予断を許さない状況にあることには変わりません。
因みに、取引件数を5月と6月で比較すると約68%アップしています。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
6月に一番取引が多かった価格帯は前月に引き続き100万円未満の会員権でした。
全取引中52%がこの価格帯の取引となっていますが、前月と比較すると16ポイント少なくなっています。
この52%中、エクシブの占める割合は54.1%となっており、先月と殆ど同じ値となっています。
因って、今月はエクシブ以外の会員権の取引割合が少なかったという結果となっています。

6月は100万円以上300万円未満の会員権の取引割合と300万円以上の会員権の取引割合が同じ値となっています。
ともに取引件数に占める占有率割合が24%となっています。
今月の100万円以上300万円未満の会員権の取引状況の特徴は、エクシブ交換グレードCが全取引の23%となっており、先月の占有率より11ポイント増加しています。エクシブ交換グレードCの26泊タイプの取引が多かったことによるものです。
一方、300万円以上の会員権取引の特徴は、エクシブのSグレードの取引件数が多かったことです。Sグレードの会員権に価格がこなれた会員権数が多かったことによるものです。

 

2) 6月のリゾート会員権流通の特徴

 6月の流通市場は5月同様、価格変動の少ない月となりました。
特に、値上がりした会員権数が少ない月となっています。
これは、5月に取引された件数が少なかったこともあり、取引されることで安い商品が市場から消えた件数が少なかったことによるものです。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
6月 11件 24件 234ポイント +6ポイント

6月に値上がりした件数は11件でした。
値上がりした会員権を見ますと、11件中8件がエクシブとなっています。
この8件ですが、7件が前月に取引されたことによる値上がりでした。
また、先月は値上がり物件がなかった東急ハーヴェストクラブですが、今月は2件値上しています。

6月に値下がりした件数は24件でした。
エクシブの値下り件数は8件、東急ハーヴェストクラブの値下り件数も8件となりました。
エクシブの値下り傾向を見ますと、同じ価格で動かなかったことから値下げがされた事例と一旦値上がりした価格を元の価格に戻した事例とに分かれております。
一方、東急ハーヴェストクラブの値下り件数7件が5万円と10万円の値下げでした。下げ幅があまりに画一的なので、市場価格が需給により形成されているのか不明です。

6月に最高値を更新したのは2件でした。
常連の東急ハーヴェストクラブVIALA熱海と那須Retreatとなっています。今後も着実に値上げしていくものと思われます。

一方、6月に安値を更新した会員権は3件でした。
エクシブが2件、東急ハーヴェストクラブVIALAが1件となっています。
東急ハーヴェストクラブVIALAannex軽井沢が5万円値下げして1,585万円となっています。
この価格でも高めの価格なので、今後、値下りする可能性も否定できません。