1)8月のリゾート会員権取引状況

 コロナ感染が5類に移行してから、患者数が増加傾向にある中でも観光地は例年通りの賑わいを見せ
ているようです。
ただ、ガソリン代が186円を越え最高値を更新したというマイナスのニュースもありました。

今月のリゾート会員権市場は、昨年よりは低調となりました。
円安や物価高など景況感に明るさがないことが影響していると推察されます。
それでも、取引件数は先月比で6%上昇しています。
その意味では、リゾート会員権に対するニーズは底堅いと言えるでしょう。

今月、一番取引が多かった価格帯は、先月同様100万円未満の会員権でした。
全取引件数に占める割合は40%で、先月比で4ポイント増えました。
エクシブだけを見ても先月と比較すると30%ほど取引件数が伸びています。
中でも、エクシブ交換グレード C で 100 万円未満の会員権取引の増加が目立ちます。
廉価で高級リゾートホテルの利用権を取得できるということが評価されているのではないかと推測します。
加えて、逗子マリーナ、鴨川リゾートクラブジャイロの取引も順調に推移しています。
この両クラブは予約の取りやすさ、投資効率の高さ等から人気の会員権となっています。

次に多かった価格帯は300万円以上の会員権となりました。
そして、全取引件数に占める割合は32%で、先月と同じ結果となっています。
エクシブの S グレードと東京ベイコート倶楽部の取引は堅調に取引されています。
特に、東京ベイコート倶楽部ベイスィートの下層階で買い易い価格まで値下がりした商品が動いています。

最後は100万円以上300万円未満の会員権となりました。
この価格帯に属する会員権はボリュームが小さいので、取引件数も少なくなっています。
エクシブ C グレードの会員権数は増えたのですが、E グレードの会員権が減少しています。
減少した原因は、先月取引された会員権が市場から消えたことで、会員権価格が値上がりしたことによる
ものです。


2) 8月のリゾート会員権流通の特徴

  8月も値下がりした会員権数が多い月となりました。
値下がりした会員権はエクシブ離宮シリーズ、東京ベイコート倶楽部、東急ハーヴェストクラブに多く出ています。
そして、ほとんどが価格調整程度の値下がりとなっています。
一方、値上がりした会員権も東京ベイコート倶楽部に多く見られました。東京ベイコート倶楽部の市場価格の
動きが激しいものになっています。
また、例月値上がり件数の多い東急ハーヴェストクラブは2件に留まりました。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
8月 26件 37件 364ポイント 3ポイント

8月に値上がりした件数は26件で、先月よりも7件多くなりました。
先月より値上がりした会員権が多かったのは、エクシブ交換グレード SE タイプ、東京ベイコート倶楽部でした。
一方、エクシブ交換グレード A の会員権に底値感があり、取引されることで値上がりした例が多い月となりました。

8月に値下がりした件数は37件で先月よりも11件少なくなっています。
これは先月値下がり件数の多かったエクシブ交換グレード C の件数が減少したことによるものです。
先月値下がりしたことで、8月はこの交換グレードの会員権の取引件数が増加しました。
従来、値上がり件数の多い東急ハーヴェストクラブですが、今月は値下がり件数が多くなっています。
今後もこの傾向が続くものと思われます。

8月に最高値を更新した会員権は1件でした。
東急ハーヴェストクラブ軽井沢で、1,200万円から1,210万円へ10万円の値上がりです。
過去1年間で約 30%(275万円)の値上がりとなっています。高掴みしないように留意する必要があるかも
しれません。

8月に最安値を更新した会員権は2件です。
エクシブ湯河原 SE タイプ(13泊)と同六甲 S タイプ(13泊)の2件となっています。
両会員権は流通市場に登録されてから間がないので、この値下がりは一般的な動きの範囲内と思われます。
因って、それほど気にしなくて良い市場の動きと言えます。