1) 6月のリゾート会員権取引状況

6月は米中の貿易戦争の腹の探り合い状態が続いており、世界的にも不確定要素を孕みながら動いています。
一方、国内的には日銀の短観によりますと、企業の景況感は大企業の製造業、非製造業ともに改善しているとの事。一方、中小企業は製造業、非製造業ともに概ね横ばい圏内と発表されています。

 6月のリゾート会員権市場は、取引件数の少ない月となりました。
問合せ件数が少なかったこともありましたが、市場に出ている商品と消費者のニーズとが上手く調整がつかない例が例月よりも多く見られたようです。
それは、会員権の内容の問題もありましたが、価格の折り合いがついていないという要素もあったのではないでしょうか。

結果として、取引件数は先月の6割強に留まりました。

取引の状況を見てみますと、
エクシブの取引が全取引件数の67%を占めています。相変わらず人気の高い会員権となっています。
エクシブはグレードを4段階に分けて消費者のニーズに対応するシステムを採用していますが、6月の取引状況を見ますと、一番下のグレードで取引されたのは、わずかに1件でした。
エクシブ購入客の高級志向が現れた事例とみることができるのではないでしょうか。

エクシブ以外の会員権では、逗子マリーナの問合せが多くなっています。季節要因もありますが、オーナー会が独自でホームページを立ち上げて、広報活動に積極的に取り組んだ効果だと思われます。

次に、取引された会員権価格を見てみます。

一番取引が多かった価格帯は先月同様100万円以下の会員権でした。全取引の45%を占めています。
エクシブの交換グレードC(ラージ)タイプの会員権で100万円を切る会員権が多くみられ、割安感が出てきたということで取引件数が多くなったものと思われます。
エクシブ以外で取引された会員権ですが、海に面した施設を持っているクラブとして鴨川リゾートクラブジャイロ、エンゼルリゾートクラブ等が挙げられます。

他には、オアシスクラブが安定的に取引されている会員権となっています。

次に取引が多かったのは、100万円以上300万円以下の会員権となっています。全取引に対して36%を占めました。
この価格帯に属する会員権はエクシブ・ラージタイプの一部とエクシブ・スィートタイプの会員権が殆どとなっています。
特にエクシブ・スィートタイプ(13泊)の会員権に値ごろ感が出てきており、取引件数も増加してきています。

エクシブご検討のお客様は高級志向の傾向があるので、この流れは自然な成り行きと考えられます。

最後は300万円以上の高額会員権となりました。
全取引の18%がこの価格帯の取引となっています。
先月比では、14ポイント下がっています。
この結果についての要因を見てみますと、東京ベイコート倶楽部の取引件数が少なかったことが挙げられます。
取引件数が少なくなったのは、先月の取引により市場に商品が少なくなったことと、会員権が値上がりしたことに因るものです。

 

2) 6月のリゾート会員権流通の特徴

6月も5月同様、価格変動した会員権数の多い月となりました。
しかし、5月と異なるのは東急ハーヴェストクラブの値上がり件数が激減していること、それに反して東京ベイコート倶楽部の値上がり件数が多かったことです。

値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
6月 27件 30件 251ポイント +20ポイント
 6月に値上がりした件数は27件となっており、先月より2件少なくなりました。
値上がり件数が少なかったのは、東急ハーヴェストクラブの値上がり件数が少なかったことによるものです。

それに反して、東京ベイコート倶楽部の値上がり件数が多かったことが6月の特徴ともいえます。東急ハーヴェストクラブの値上がり幅は価格調整程度になされていますが、東京ベイコート倶楽部の値上がり幅は大きいので、会員権全体の平均単価を押し上げる結果となりました。

 6月に値下がりした件数は30件あり、先月より7件多くなりました。
値下がりした会員権の多くが、100万円以下の物件となっています。中でもエクシブ交換グレードAの会員権の値下がりが全体の65%を占めています。

このように、6月は値下がり件数が多かったのですが、低価格帯の会員権が多かったので値下がり幅も小さいものになっています。

 最高値を更新したのは4件あり、先月と比較して2件少なくなりました。
4件中3件が東京ベイコート倶楽部の値上がりとなっています。
例月、多くの最高値を付けていた東急ハーヴェストクラブ及びVIALAは1件に留まっています。

6月の東急ハーヴェストクラブの値上がり件数自体も少なくなっているので、価格上昇への一服感が出ています。

 一方、6月に最安値を更新した会員権は6件ありました。
最安値を付けた会員権は全てがエクシブとなっています。
しかも、6件中5件が交換グレードA(スタンダード)となっており、弱含み傾向が顕著に出た月となりました。交換グレードAについては、7月の動きを注視していく必要がありそうです。