1) 3月のリゾート会員権取引状況

 米中の貿易摩擦、英国のEC離脱問題等を受けて、我国の株価は安定しない状況が続いています。
各国の政治、経済が自国ファーストへ流れていく傾向の中で閉塞感が強まり、それぞれが酸素不足で苦しくなっているような気がします。
政府の3月経済月例報告では「このところ輸出や生産の一部に弱さもみられるが、緩やかに回復している」と言い訳のようなの発表をしています。

このような経済状況の中で、取引の状況を見てみますと、3月のリゾート会員権流通市場は動きの少ない月となりました。
例年、市場に動きが出てくる月ですが、今年は勢いの感じられない月となってしまいました。
具体的な数字として成約件数を見ますと、昨年比で36.7%減少しました。
これは、エクシブの取引件数が少なかったことによるもので、全取引の61%に留まっています。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
今月も、一番多く取引された価格帯は100万円未満の会員権でした。
全体の58%を占めています。
エクシブでこの価格帯に属するグレードはAとCになっています。先月はCグレードが85%を占めていましたが、今月は両交換グレードが半数ずつになっています。交換グレードAの会員権が安くなっていることから、取引件数の下支えをした感があります。
エクシブ以外ではサンメンバーズの取引が多い月となりました。

次に取引が多かったのが100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引の26%となり、先月より12ポイント少なくなっています。
今月もこの価格帯の取引の全てがエクシブとなっています。
この価格帯の会員権はエクシブの交換グレードCと交換グレードEの会員権となっています。
両グレードともに買いやすい価格になってきているので、この水準は維持されていくものと思われます。

最も少なかったのが300万円以上の会員権でした。
全取引件数の16%がこの価格帯となりました。先月と比較すると3ポイント上がりました。
この価格帯に属するのは、エクシブスーパースィートタイプと東京ベイコート倶楽部です。
今月のエクシブのスーパースィートタイプに値ごろ感のある会員権が少なかったので取引件数も伸びていません。

 

2) 3月のリゾート会員権流通の特徴

 3月の流通市場価格も動きのある月となりました。
特に値上がりした会員権数が15ヶ月ぶりに30件を越えました。逆に値下りした会員権数は6ヶ月ぶりに30件を割りました。価格の変動が多かったのはエクシブ交換グレードCと東急ハーヴェストクラブとなっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
3月 33件 24件 226ポイント ▲4ポイント

3月に値上がりした件数は33件で、先月より15件も増えています。
エクシブで値上がりした会員権が多かったのはCグレードでした。2月に取引された会員権が市場から消え、次の価格が市場に出てきたことによるものです。
相変わらず東急ハーヴェストクラブの値上がりが続いており、市場にある21の銘柄のうち11銘柄の会員権が値上がりしました。

3月に値下がりした件数は24件となり2月より6件少なくなりました。
値下りした会員権のうちエクシブが18件と75%と占めています。
低額な会員権の値下り幅は小さかったのですが、高額会員権の値下がり幅は大きいものが見受けられました。

3月に最高値を更新したのは6件となっています。
しかもそのすべてが東急ハーヴェストクラブと東急VIALAとなっています。
特に東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山は6ヶ月連続で高値を更新しており、その間で100万円の値上がりとなっています。同様にVIALA熱海伊豆山も6か月連続で値上がりし、110万円の値上がりとなっています。
この高値で処分ができるならば投資商品と言ってもよいくらいの値上がりではないでしょうか。

一方、3月に安値を更新した会員権は6件となっています。
6件中5件がエクシブとなっています。5件の内訳は交換グレードAが3件、Eグレード、SEグレードが各1件となっています。
残りの1件はダイヤモンドオーナーズ八ヶ岳美術館となりました。