1) 2月のリゾート会員権取引状況

米中の貿易摩擦により、米中ともに傷を負うチキンレースの様相を呈しています。
中国経済と関係が深い我国においても、中国への輸出が2か月連続で減少しています。
車や電気機器関連が失速し2019年3月期には上場企業も3期ぶり減益になりそうとのこと。
このように、米中貿易戦争による影響が出ているのですが、リゾート会員権流通市場は動きのある月となりました。
2月に入ってから右肩上がりの株価の影響も背景にあったのではないかと思われます。

取引の状況を見てみますと、
2月のリゾート会員権流通市場は1月同様、例年通りの動きとなりました。
米中貿易問題を抱えながらも株価が上向きだったことで相殺され、貿易摩擦によるリゾート会員権流通市場への影響は特別なかったようです。
今月、取引を含めて動きのあったクラブは、エクシブの離宮シリーズ、京都八瀬とオアシスクラブでした。
ゴールデンウィークを控え、予約締切が迫っていた逗子マリーナの引き合いも多く出ていました。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
一番多く取引された価格帯は100万円未満の会員権でした。
全体の50%を占めています。
エクシブでこの価格帯に属するグレードはスタンダードタイプとラージタイプとなっています。その中でもラージタイプが85%を占めています。その意味でも100万円以下のラージタイプは需要のある会員権と言えます。
従来、この価格帯で最も取引の多い会員権はサンメンバーズ・ワールドホリデークラブしたが、2月の取引は少なかったと言えます。逆に多かったのはオアシスクラブの取引でした。

次に取引が多かったのが100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引の38%となっています。先月とほぼ同レベルを確保しています。
先月と異なるのは、エクシブスィートタイプの占める割合が高くなっていることです。1月は60%でしたが2月は68%を占めました。しかも、価格帯としては13泊タイプで200万円前後が市場価格となっています。

最も少なかったのが300万円以上の会員権でした。
全取引件数の13%がこの価格帯となりました。先月と比較すると3ポイント上がりました。
この価格帯に属するのは、エクシブスーパースィートタイプと東京ベイコート倶楽部です。特に、エクシブのスーパースィートタイプは人気の商品なので、値ごろ感のある会員権が市場に有ればもっと取引件数が増えるものと思われます。

 

2) 2月のリゾート会員権流通の特徴

 2月の流通市場は1月に引き続き、値下りした会員権数が多い月となりました。その多くがエクシブのスタンダードタイプの会員権となっています。しかし、エクシブのロケーションによっては下げ止まり感のあるものも出てきています。
また、市場に出ている会員権の平均価格を見てみますと1月より値下りしています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
2月 18件 30件 230ポイント ▲12ポイント

2月に値上がりした件数は18件で、先月より5件少なくなっています。
エクシブで値上がりした会員権が多かったグレードはスィートでした。人気のあるグレードということで売方が強気になっているのかもしれません。
一方、毎月値上がり商品の多かった東急ハーヴェストクラブですが、2月に値上がりした会員権は2件のみに抑えられています。

2月に値下がりした件数は30件となりました。1月と同数でした。
値下り幅も価格調整程度に留まっています。
低額商品の場合ほとんどが5万円未満、高額商品でも50万円未満の値下がりとなっています。
また、値下り傾向が強かったクラブとして逗子マリーナが挙げられます。

2月に最高値を更新したのは2件となっています。
東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山とVIALA熱海伊豆山でした。
両方ともに高額物件ですが、値上げ幅は10万円から20万円と小幅に値上げされています。

一方、2月に安値を更新した会員権は11件と非常に多くなっています。
11件中6件がエクシブで最安値を付けました。6件中3件がエクシブ鳥羽となっています。
2月に最安値を付けた会員権として目立つのが逗子マリーナでした。逗子マリーナは4種類の会員権で構成されていますが、その内3種類の会員権が最安値を付けています。