1) 3月のリゾート会員権取引状況

3月12日にWHOからコロナウィールスの世界的な流行(パンデミック)の発表があり、各国でロックダウンが行われ、経済的な影響が顕著になってきました。
加えて市民生活への影響は経済的な側面だけではなく、日常活動への制約による精神的なダメージも否定できない段階に至っています。

リゾート会員権市場は、コロナウィールスの影響は、未だに目立ったものは感じられません。
3月のリゾート会員権流通市場の取引状況を見てみますと、お問合せは昨年同月比で約20%弱少なくなりましたが、取引件数は今年の方が約40%程増加しています。
しかし、リゾート会員権市場への影響はこれから出てくるのではないかと危惧しています。
取引された会員権の種類を見ますと、エクシブの取引件数が多い月となり、9ヶ月ぶりに全取引に占める割合が70%を超えました。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
3月においても、一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。全取引に占める割合は43%と先月よりも10ポイント減少しています。
これは、サンメンバーズをはじめとする、エクシブ以外の取引件数が減少したことによるものです。
しかし、オアシスクラブだけは堅調に取引されております。

次に取引が多かったのが300万円以上の会員権でした。
全取引の28%となっており、先月の倍の占有率となりました。
占有率が上がったのは、エクシブの交換グレードSタイプの取引が堅調だったことで、価格のこなれた商品が市場に出てきたことが原因と思われます。加えて、東京ベイコート倶楽部の取引も活発に行われました。
現在のところ、高額物件の購入者にはコロナウィールスの影響はまだ出ていない様子です。

最も少なかったのが100万円以上300万円未満の会員権でした。
この価格帯での取引会員権はエクシブ交換グレードEと東京ベイコート倶楽部ベイスウィートとなっています。対象会員権の発行口数が少ないので市場に占める割合も低く、今後も取引件数の増加は望めない状態となっています。

 

2) 3月のリゾート会員権流通の特徴

  3月の流通市場は値上がりした会員権と値下がりした会員権数が同数となりました。
値動きもそれほど大きいものはなく安定した市場となっています。
但し、3月から新たに市場に出てきた会員権が高額だったため、平均単価が押し上げられる結果となっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
3月 23件 23件 235ポイント +17ポイント

3月に値上がりした件数は23件でした。
値上がりした会員権を見ますと、人気のエクシブ軽井沢が取引されたことによる値上がりや、東京ベイコート倶楽部の割安感のあった会員権が取引されたことによる値上がりが多い月でした。
東急ハーヴェストクラブの値上がりは23件中8件となっています。この値上がりした会員権の内、売り物件がないにもかかわらず、ネット上値上がり表示されているものもあります。

3月に値下がりした件数は23件でした。先月と同数となっています。
先月まで多かったエクシブ交換グレードA(スタンダード)の値下りが1件に止まりました。交換グレードAは底値圏まで来たとみられる会員権が多くなっているのでしょう。
一方、エクシブ交換グレードS(スーパースィート)の値下り物件も多く出ています。値上がりした会員権の価格調整がなされた結果と見る事ができます。

3月に最高値を更新したのは5件となっています。
今月もそのすべてが東急ハーヴェストクラブでした。
東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山、VIALA熱海伊豆山、箱根翡翠は1年の内11ヶ月は値上げしています。価格も年間で200万円前後上昇しています。

一方、3月に安値を更新した会員権は3件で、先月と比べて5件少なくなりました。
内訳は、エクシブが2件、ウィスタリアンライフクラブ熱海が1件となっています。
エクシブの2件は初島Cタイプ、浜名湖Dタイプで、初島は65万円から40万円へ浜名湖は70万円から65万円への値下がりでした。