1)5月のリゾート会員権取引状況

5月の内閣府の景気ウォッチャー調査では前月より1.0ポイント低下し38.1となったようです。これは2ヶ月連続の悪化となっています。原因は緊急事態宣言が延長されたことによる心理的な影響が大きいのではないでしょうか。

リゾート会員権市場は、飲食を中心としたサービス業が低迷する中で底堅い動きを見せています。
その理由は、閉鎖的な会員制ホテルと言う特殊性に「利用上の安全、安心」を見ているからではないでしょうか。即ち、会員制ホテルの利用者に同質性が保たれていること、防疫に対する認識が会員とクラブとで共有されていることなどが考慮されたものと思われます。

5月のリゾート会員権流通市場は活発に動いています。
取引件数に関して前年同月比で40%アップしています。また、前月比で見ても10%増加しています。
5月の第一週はGWとなっていましたので、実質二週目からの稼働日数を考えるとリゾート会員権に対するニーズは堅調だったと言えるのではないでしょうか。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
5月に一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権で、全取引中49%がこの価格帯となりました。しかし、50%を割ったのは4か月ぶりとなっています。
理由はエクシブ交換グレードAの取引件数が少なかったこと及び交換グレードCで100万円以下の取引件数が少なかったことによるものです。
一方、取引された会員権で多かったのは、サンメンバーズ・ワールドホリデークラブでした。

次に多かったのは、100万円以上300万円未満の会員権の取引で、全体の中で27%となっています。この占有率は先月と同じでした。
取引件数を確保できたのは、取引されたエクシブ鳥羽別邸の多くがこの価格帯に属していること、エクシブ交換グレードEへの問い合わせが多く取引も行われたことによるものです。
但し、この価格帯に属する会員権数は多くないので、品薄になる可能性もあります。

最後に、最も取引が少なかったのは300万円以上の会員権で、先月より取引件数は増加したのですが、占有率は全体の23%に留まりました。
先月はこの価格帯の会員権が市場にあまり出ていなかったのですが、5月に入り少しづつ登録件数が増加してきた結果、取引件数も多くなりました。この価格帯に属する会員権は人気の高い商品となっています。


 2) 5月のリゾート会員権流通の特徴

  5月の市場は値上がり物件の多い月となりました。
値上がりした会員権が値下がりした会員権のほぼ倍数となっています。
中でも、最高値を更新した会員権の全てが高額物件だったこともあり、市場の平均単価を押し上げる要因となっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
5月 34件 18件 283ポイント 29ポイント

5月に値上がりした件数は34件でした。先月より3件多くになっています。
値上がりした会員権の41%が300万円以上の高額物件となっています。
そして、今月の特徴はエクシブ交換グレードEの会員権の値上がり件数が多かったことです。
施設のグレードの比較ですが、エクシブの交換リゾートEと東急ハーヴェストクラブ高級バージョンであるVIALAとは同程度ですので、エクシブ会員権価格の割安感が注目されています。

5月に値下がりした件数は18件でした。先月より3件多くなりました。
値下りした会員権の殆どがエクシブと東京ベイコート倶楽部となっています。
中でも、東京ベイコート倶楽部ベイスィートの価格が弱含みで動き、値ごろ感のある価格帯になってきました。

5月に最高値を更新した会員権は5件と比較的多い月となりました。
内訳は、エクシブが3件、東京ベイコート倶楽部2件となっています。
今月は東急ハーヴェストクラブの値動きは少なく、最高値を更新した会員権は1件もありませんでした。

一方、4月に最安値を更新した会員権は3件ありました。
いずれもエクシブで、伊豆Bタイプ(26泊)、蓼科Dタイプ(13泊)、鳥羽別邸CBタイプ(13泊)の3件となっています。値下り幅は調整程度のものでした。