1)4月のリゾート会員権取引状況

政府は「まん延防止等重点措置」や「緊急事態宣言」等を発出してコロナ感染の鎮静化を図っていますが、なかなか効果が出てきていません。行動自粛など国民に求めるものばかりで、政府としての積極的且つ有効な施策(特に円滑なワクチン接種、PCR検査の徹底等)がないこと、及び、コロナに対し政府から発信される情報量が少ない事から、国民がコロナに対して自律的な動きを見せて来ているのではないでしょうか。

4月のリゾート会員権流通市場も3月同様会員権に対するニーズは底堅くありました。
昨年4月はコロナの影響が最大に出た月でしたので、取引件数の昨年同月比では約2.6倍となっています。
しかし、一昨年取引件数と比較するとほぼ同数だったことから、コロナ前の状態に戻ったと見る事もできますが、問い合わせ件数、及びその内容を分析すると、引き続き動きのある市場が続くものと思われます。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
4月に一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権で、全取引中50%となっています。
先月と比較すると9ポイント減少しています。
エクシブの取引件数は3月と変わらなかったのですが、サンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数が少なかったことによるものです。サンメンバーズ・ワールドホリデーは品薄となっており価格も値上がりしてきています。

次に多かったのは、100万円以上300万円未満の会員権の取引で、全体の中で27%でした。
この占有率は先月より7%アップしています。
この価格帯に属する商品であるエクシブ鳥羽別邸が市場に出てきたこと、エクシブ軽井沢パセオの取引が多くなったことを上げることができます。パセオの取引件数が増加したのは、エクシブ軽井沢の商品が市場から少なくなったことで、代替商品として考えられているのではないかと思われます。

最後に、最も取引が少なかったのは300万円以上の会員権の取引で、全体の中で24%でした。
原因は、この価格帯に属する会員権はエクシブの交換グレードSと東京ベイコート倶楽部が殆どですが、市場に出ている商品が少なくなってきたことで、その取引件数も減少したことによるものです。

 2) 4月のリゾート会員権流通の特徴

  4月の市場は偏りのある市場となりました。
値上がりした会員権が値下がりした会員権の倍数となっています。
しかし、値上がりした会員権数が多いにもかかわらず、市場価格平均単価は前月より値下がりしています。原因は高額会員権が3月に取引されたことで、4月の市場から高額会員権が減少したことによるものです。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
4月 31件 15件 254ポイント -18ポイント

4月に値上がりした件数は31件でした。先月と同数になっています。
値上がりした会員権に特徴があり、エクシブ初島は4物件中3物件、エクシブ京都八瀬離宮は3物件中3件、東京ベイコート倶楽部は8件中4件が値上がりしました。このように値上がりした会員権に偏りのある月となっています。

4月に値下がりした件数は15件でした。先月より10件少なくなりました。
値下りした会員権15件中10件がエクシブとなっています。
値下りした会員権の多くが価格調整や価格交渉により値下げされた会員権となっています。

4月に最高値を更新した会員権は8件と比較的多い月となりました。
エクシブのSグレード3件、東京ベイコート倶楽部2件、東急ハーヴェストクラブVIALA3件などが最高値を付けています。
値上がりした会員権の全てが300万円以上の高額物件でした。
特に、東急ハーヴェストクラブVIALA熱海伊豆山は2,000万円まで値上がりしています。

一方、4月に最安値を更新した会員権はありませんでした。