1)7月のリゾート会員権取引状況

7月4日に4回目の緊急事態宣が発出されたにも拘わらず、コロナ感染者数は増加に歯止めがかからない状況になっています。
一方、我国の輸出はコロナ前の水準まで回復していることや、ニューヨークダウも最高値を更新するなど、一見するとコロナの影響から脱するかのような経済の動きとなっています。

リゾート会員権市場は、問い合わせ件数は落ちることなく安定的な状況が続いています。
しかし、今月の取引件数は先月比で約70%となり、一服感がみられるものとなっています。原因としては、品薄状態に因るものと思われます。

次に、取引された会員権の価格を見てみます。
7月に一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。全取引中54%となり50%を越えたのは3か月ぶりとなりました。
この価格帯のエクシブの取引は交換グレードA(スタンダード)が多く、交換グレードCで100万円以下の取引件数は少なくなっています。
一方、エクシブ以外の会員権はサンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数が多かったことに加え、その他の会員権も堅調に取引されました。

次に多かったのは300万円以上の会員権で、全体の24%の占有率でした。
内容を見ますと、東京ベイコート倶楽部の取引が堅調だったこと、エクシブEグレード(スィート)の会員権で300万円以上の取引も出てきています。
エクシブSグレード(スーパースィート)へのニーズは高いのですが、7月は品薄で取引件数が6月と比較して減少しました。

最後に最も取引が少なかったのが100万円以上300万円未満の会員権で占有率は全体の22%でした。
この価格帯で取引されたのはエクシブのCグレード(ラージ)の会員権で90%を占めています。
従来、取引の多かったエクシブEグレード(スィート)の取引がなかったことが今月の特徴と言えます。
エクシブ以外では東急ハーヴェストクラブ勝浦がこの価格帯で取引されました。

 

 2) 7月のリゾート会員権流通の特徴

  7月の市場は価格変動の少ない月でした。
今月も値上がり件数が値下り件数を上回りました。
値上がりした会員権が値下りした件数を上回ったのは6ヶ月連続でとなっています。
品薄状態が市場価格を押し上げている原因と言えます。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
7月 21件 15件 327ポイント +25ポイント

7月に値上がりした件数は21件でした。
この内、300万円以上の会員権が14件となっており、全体の66%を占めています。
エクシブのSグレード(スーパースィート)、東京ベイコート倶楽部、東急ハーヴェストクラブが殆どを占めていますが、1件だけエクシブEグレード(スィート)で値上がりした会員権がありました。

7月に値下がりした件数は15件でした。先月より3件少なくなっています。
値下りした会員権を見ると、値上がりした会員権と同様300万円以上の会員権の値下りが多い月となっています。内訳はエクシブが3件、東京ベイコート倶楽部が1件、東急ハーヴェストクラブが5件となっており、東急ハーヴェストクラブに値下り傾向が出ています。

7月に最高値を更新した会員権は6件と、比較的多い月でした。
内訳は、エクシブが2件、東京ベイコート倶楽部2件、東急ハーヴェストクラブ2件(VIALAも含む)となっています。
中でも、エクシブ軽井沢サンクチュアリヴィラは2ヶ月連続で最高値を更新しています。
値上がり幅が大きかったのは東急ハーヴェストクラブ箱根甲子園で600万円から725万円へ値上がりしています。

一方、7月に最安値を更新した会員権は1件のみでした。
エクシブ鳥羽別邸Sタイプ(13泊)が850万円から820万円へ値下りしています。
市場に出てきて間がないこともあり、高値で市場に出てきた会員権が価格調整されていると見てよいでしょう。