1)8月のリゾート会員権取引状況 

今年の夏はオリンピック(パラリンピック)とコロナ感染拡大という騒々しい月となりました。
また、海外ではアメリカ軍がアフガンからの撤退など大きな出来事もありました。
このような社会情勢の中でも8月の日経平均株価は2021年4~6月期決算の好業績を受けて、3カ月ぶりに上昇し、上昇幅は805円(2.95%)高と6カ月ぶりの大きさでした。
一方、ニューヨークダウも先月に引き続き最高値を更新するなど経済活動は「ウイズコロナ」へ移行した感があります。

リゾート会員権市場も動きのあるものとなっており、取引件数は前月比で約27%UPしています。この結果として、リゾート会員権に対するニーズは底堅くあると思われます。
理由は、引き続き問い合わせ件数が多い事、会員権の品揃えが整うことで取引件数が伸びているという状況が見られるからです。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
8月に一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。全取引中46%と減少しており、50%を越えた月は1ヶ月で終わりました。
この価格帯のエクシブの取引は交換グレードA(スタンダード)が多いのですが、比較的廉価な会員権が取引され、割安感のある商品が少なくなったことにより取引件数が減少したことによるものです。
エクシブ以外のこの価格帯の会員権の取引には変化はありませんでした

次に多かったのは300万円以上の会員権で、占有率は全体の31%で、先月と比較して7ポイント増えています。
内容を見ますと、エクシブのSグレード(スーパースィート)が価格上昇で取引件数は少なかったのですが、東京ベイコート倶楽部の取引が堅調だったことで上記の占有率が確保されました。

最後に最も取引が少なかったのが100万円以上300万円未満の会員権で、全体の23%でした。先月よりも1ポイントUPしています。
理由は、この価格帯を占めるのがエクシブのCグレード(ラージ)で、市場に商品が揃っていたこともあり、取引件数が多くなったことによるものです。

 

2) 8月のリゾート会員権流通の特徴

  8月の市場は値上がりした会員権数の多い月となりました。
値上がりした会員権が値下りした件数を上回ったのは7ヶ月連続でとなっています。
先月同様、品薄状態が市場価格を押し上げている要因となっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
8月 30件 12件 325ポイント -2ポイント

8月に値上がりした件数は30件で、先月から9ポイント上昇しました。
先月は300万円以上の会員権の値上がりが多かったのですが、今月は100万円以上300万円未満の会員権が多くなっています。
エクシブのCグレード(ラージ)の値上がりが目立っています。エクシブの品薄状態の中で、ボリュームゾーンであるCグレードの会員権が値上がりして市場に出てきたことによるものです。

8月に値下がりした件数は12件でした。先月より3件少なくなっています。
値下りした会員権数が少ないということで、市場に安定感が出てきております。
値下りした会員権は高額商品に多く、エクシブのSグレード(スーパースィート)に値下りした会員権が散見されます。

8月に最高値を更新した会員権は7件で、先月よりも1件多くなっています。
7件中5件が東急ハーヴェストクラブ(VIALAを含む)となっています。値上がりした会員権の殆どが比較的新しい会員権でしたが、1件だけ建築年数の古い会員権である勝浦が最高値をつけています。
7月に270万円で取引されていますが、8月には315万円と45万円も値上げされています。

一方、8月に最安値を更新した会員権は7月同様1件のみでした。
グランリゾートエレガンテ軽井沢が55万円から40万円へ値下りしています。