1)5月のリゾート会員権取引状況 

 ウクライナ戦争が続いていることで、世界経済がボディブローを受けているような感じになってきています。
加えて、コロナからも解放されずにおり、得体の知れないストレスが蓄積されているようです。
このようなモヤモヤ感を開放するアイテムとして、リゾート会員権の存在価値が見直されています。

5月もリゾート会員権流通市場は活発な動きを見せています。
まん延防止措置解除及びゴールデンウィークの人出の多さにも拘わらず、コロナ感染者数が僅かですが減少してきているのも、好影響となっているようです。
流通市場全体の取引件数も4月とほとんど変わらない件数が確保されています。

次に、5月の取引状況を見てみます。
一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権で、全体の中で41%となっています。先月と比較して7ポイント増加しました。買いやすい価格の取引が増加しました。
ウィスタリアンライフクラブ、サンメンバーズ・ワールドホリデークラブ、鴨川ジャイロクラブ、逗子マリーナなど個性豊かな会員権が取引されています。
加えて、先月取引件数の少なかったエクシブでしたが、今月は交換グレードAの会員権の動きが活発な月となりました。全体にリゾート会員権利用者のすそ野の広がりを感じます。

次に取引が多かった価格帯は100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引件数における占有率は全体の32%となり、前月比で5ポイント増加しました。
この価格帯の取引は全てエクシブとなっています。
しかも、交換グレードC(ラージ)が約70%を占めています。同様に、エクシブ交換グレードE(スィート)の取引件数も先月比で3倍となっています。

最後に、最も取引が少なかったのは300万円以上の会員権で、全体の占有率は27%となっております。先月比で12ポイント減少しました。理由として考えられるのは、4月にエクシブSグレードの会員権の取引が多かったことの反動ではないかと思われます。
Sグレードは人気の会員権ですので、高止まりしている会員権が値を下げれば、取引件数は増加する底堅さは感じられます。


2) 5月のリゾート会員権流通の特徴

 5月の市場は値下がり物件の多い月となりました。
中でも、100万円~300万円未満の会員権の値下がりが多くなっています。
一方、エクシブ交換グレードAの会員権の値下がり件数が少なくなり、底値圏から脱却できるかというところまで来ています。
従来、値上がり件数の多かった東急ハーヴェストクラブは、値下がり傾向が認められます。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
5月 26件 36件 377ポイント -3ポイント

 5月に値上がりした件数は26件でした。
先月よりも18件減りました。
先月と比較して、100万円~300万円未満の会員権はほとんど変化がなかったのですが、この価格帯以外の会員権の値上がり件数は約半減しています。
値上がり件数が少なくなったことで、コロナ禍での会員権市場と異なり、流通市場全体が落ち着いてきたように感じます。

 5月に値下がりした件数は36件でした。先月より2件多くなっています。
300万円以上の会員権と100万円以上300万円未満の会員権の値下がり件数が同数となっています。反面、100万円未満の会員権は全体の5%に留まりました。
今月の特徴は東急ハーヴェストクラブの値下がり物件が増加しているということです。首都圏以外のロケーションで建築年数を経た東急ハーヴェストクラブは全体として弱含んできているようです。

5月に最高値を更新した会員権は6件で、先月と同数となっています。
内訳は東急ハーヴェストクラブ、VIALAが3件、エクシブが2件、東京ベイコート俱楽部が1件となっています。
相変わらず最高値を更新しているのが東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山・VIALAで、過去1年間で500万円値上がりしています。どこまで値上がりするのか、または、いつ値下がりするのか注目したいところです。

一方、5月に最安値を更新した会員権は2件となっています。
エクシブ山中湖Cタイプ(13泊+サンメンバーズチケット10枚)が85万円から45万円、エクシブ湯河原離宮CBタイプ(13泊)が200万円から170万円へ安値を更新しました。