1)4月のリゾート会員権取引状況 

 ウクライナ戦争が泥沼状態になりそうで、経済的にも様々な影響が出てきています。
この戦争でインフレ状態に拍車がかかり、経済成長の減速と相まってスタグフレーションが懸念されます。
一方、オミクロンは新種も出てきているようですが、6次感染の勢いも一段落した感もします。
3月21日に18都道府県に出されていたまん延防止措置が解除され、飲食や旅行への行動規制がなくなったことからリゾート会員権の需要が増えてきています。

4月のリゾート会員権流通市場は、3月よりも活発な動きを見せています。
この動きはまん延防止措置解除の影響によるものと推察します。
現在のところ、経済的な不透明よりも旅行などの欲求が優っていると見ることができでしょう。
具体的には、当社における問い合わせ件数を3月と比較すると約62%増えています。
また、流通市場全体の取引件数は3月と比較すると40%増えました。

次に、4月の取引状況を見てみます。

一番取引が多かった価格帯は300万円以上の会員権で、全体の中で39%となっています。先月と比較して6ポイント増加しました。
理由としては、エクシブ交換グレードS13泊タイプの会員権で700万円台になった商品が複数取引されたこと、市場にほとんどなかったエクシブSグレード26泊タイプが市場に出てきて取引されたことを挙げることができます。
加えて、東急ハーヴェストクラブと比較して、施設のグレード、サービスの質などエクシブの割安感が取引件数に結びついているものと思われます。

次に取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。
全取引件数における占有率は全体の34%となり、前月比で6ポイント減少しました。
先月同様、エクシブの取引件数が少なかったことで、全体の占有率も低くなっています。
一方、エクシブ以外の会員権の中で、サンメンバーズ・ワールドホリデー、鴨川リゾートクラブジャイロ、逗子マリーナオーナーズ等は安定的に取引されています。他にも、商品があれば取引される会員権としてオアシスクラブがあります。

最後に、最も取引が少なかったのは今月も100万円以上300万円未満の会員権の取引で、占有率は27%となっております。
先月同様この価格帯の取引は全てがエクシブとなっています。
中でも、京都八瀬離宮Cグレード(13泊)、箱根離宮、有馬離宮のCBグレード(13泊)が人気の会員権となっています。

 

2) 4月のリゾート会員権流通の特徴

4月の市場は値動きの多い月となりました。
4月の取引件数が多かったことから、次の登録価格が市場に出ることで値上がりした件数が多くなっています。
例月値動きの多い東急ハーヴェストクラブが今月は変動の少ない月となっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
4月 44件 34件 380ポイント -2ポイント

 4月に値上がりした件数は44件でした。
先月よりも21件増えました。エクシブの価格別(100万円未満、100万円以上300万円未満、300万円以上)の値上がり件数を見ると全て同数となっています。
先月は300万円以上の会員権の値上がりが全体の63%を占めていたのですが、今月は45%で留まりました。
それに対して、以前は弱含みで動きていた交換グレードAの会員権が値上がりしてきています。底値圏から脱しつつあるのではないでしょうか。

4月に値下がりした件数は34件でした。先月より6件少なくなりました。
高額物件である300万円以上の会員権の件数が前月比で3件少なくなりました。
また、100万円以上300万円未満の会員権も前月よりも3件減少しています。
珍しく、東急ハーヴェストクラブ及びVIALAが値上がりよりも値下がり件数が多い月となっています。

4月に最高値を更新した会員権は6件で、先月より5件少なくなっています。
内訳は東急ハーヴェストクラブ及びVIALAが3件、エクシブが2件、東京ベイコート俱楽部が1件となっています。その中で、エクシブ鳴門Eタイプ(26泊)が800万円から1100万円、東京ベイコート倶楽部23階(12泊)も1350万円から1800万円へと大幅な値上がりとなっています。

一方、4月に最安値を更新した会員権は3件となっています。
全てエクシブで、ほとんどが価格調整程度の値下がりでした。鳥羽別邸CBタイプバージョンZ が170万円から160万円へ、白浜アネックスPタイプバージョンが300万円から290万円へ、鳴門Bタイプが30万円から24万円へと最安値を更新しています。