1)7月のリゾート会員権取引状況 

 コロナ感染の拡大が進む中で、行動規制がなされない儘、経済活動がなされています。
飲食、イベント、旅行など自由に楽しむことができるようになりました。
しかし、7月に入って新型コロナウイルス(オミクロン株BA.5)の流行が拡大し、「第7波に入った」と言う専門家も出てきています。
感染者の急増はいろいろなところに影響しております。
旅行業を例に取ると、施設のスタッフが足りなくなりサービスに支障が出たり、コロナ感染による予約のキャンセルも多く出てきています。

このような状況下、リゾート会員権流通市場にも影響が感じられます。
お問い合わせ件数、内容などが若干弱くなってきています。また、取引件数も前年同月比で87.8%と少なくなっています。
コロナ感染拡大の中で、全体的に消費行動を自己規制するようになったからではないかと思われます。
しかし、夏休み期間が終了すると、例年、流通市場は活発になるので、それを期待したいところです。

次に、7月の取引状況を見てみます。
2か月連続で、一番取引が多かった価格帯は100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引件数における占有率は50%で、先月より13ポイント多くなりました。
内訳をみてみますと、エクシブラージグレードの会員権の取引件数が大半を占めています。
一方、エクシブスィートグレード(13泊)の会員権は300万円を割り込むと取引される例が多くなっています。

次に取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。
全取引件数における占有率は全体の22%となり、前月比で13ポイント少なくなりました。
これは、エクシブの取引件数は先月と大差なかったのですが、エクシブ以外の100万円以下の取引件数が減ったことによるものです。
特に、サンメンバーズ・ワールドホリデーの商品が少なくなり、取引件数も減少しました。

最後に、最も取引が少なかったのは300万円以上の会員権で、全体の占有率は28%となっております。占有率の数字としては先月とほとんど変わりません。
エクシブSグレードの会員権の価格が二分化しているのは先月と変わりませんが、離宮シリーズ以外のSタイプ(13泊)は700万円割れの会員権も出てきており、さすがにこの価格ですと足の速い商品となっています。


2) 7月のリゾート会員権流通の特徴

 7月の価格変動数が売り買いともに同数となりました。
値下がりした会員権の80%がエクシブでした。市場全体の動きが弱かったことから、取引件数の多いエクシブに価格調整の動きがあったことによるものです。
一方、値上がりした会員権の内、エクシブが全体の70%となっています。
このようにエクシブは市場全体の及ぼす影響の大きい会員権となっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
7月 27件 27件 368ポイント -13ポイント

 7月に値上がりした件数は27件でした。
先月と同数となっています。しかも、エクシブの値上がり件数も先月と同数でした。
内容を見てみますと、6月に取引されたことにより、次の登録価格が7月に市場に出たことで値上がりした例が多くなっています。但し、値上がり幅が小さく調整レベルに収まっています。

7月に値下がりした件数も27件となりました。
値下がり物件中、エクシブの100万円以上300万円未満の会員権が全値下がり件数の50%を占めました。中でもエクシブの交換グレードC(ラージ)の会員権の値下がり件数が多い月となっています。
値ごろ感のある価格になったこともあり、前述したように取引件数の多い月となったのではないでしょうか。

7月に最高値を更新した会員権は5件でした。
内訳は東急ハーヴェストクラブ、VIALAが3件、エクシブが2件となっています。
中でも東急ハーヴェストクラブVIALA熱海伊豆山は昨年の7月2070万円が今年は2650万円で募集しています。1年間で580万円の値上がりとなっています。

一方、7月に最安値を更新した会員権は3件となっています。
3件ともエクシブでした。全て比較的新しく市場に出てきた会員権となっています。
エクシブ鳥羽別邸CB(13泊)が150万円から145万円、エクシブ湯河原離宮CB(13泊)が160万円から150万円へ各々2か月連続で最安値を更新しています。
また、エクシブ湯河原離宮SE(13泊)は市場に出てきて初めて600万円割れとなり580万円へ値下がりしました。