1)11月のリゾート会員権取引状況

 米国のインフレ懸念が弱まってきたことで利上げ観測が薄れ、株価も米国株が上昇しました。
同時に円安も為替介入なく、円高への動きも出てきました。このように、少しずつ元の経済環境に戻りつつあるような気がします。

今月のリゾート会員権市場は、12月に向けて動きが弱くなっていく月です。
しかし、今年11月の取引件数は、昨年より僅かですが増加しています。
値下がりする会員権が多かったことで、市場の動きを下支えした形になっています。

11月、取引が一番多かった価格帯は、先月同様100万円未満の会員権でした。
しかし、全取引件数に占める割合は38%で、先月比で4ポイント少なくなっています。
この価格帯の主商品であるサンメンバーズ・ワールドホリデーが品薄状態になっていることから取引件数が減ったことの影響が現れた形になっています。
鴨川リゾートクラブジャイロ、オアシスクラブ、逗子マリーナなど特徴のある会員権は安定的に取引がなされています。

次に多かった100万円以上300万円未満の会員権となりました。
全取引件数に占める割合は32%で、先月より7ポイント増加しています。
取引件数自体先月と同数でしたが、他の価格帯の取引件数が減少したことで、この価格帯の占有率が高くなりました。
内訳を見ますと、エクシブ交換グレードC(ラージ)の取引件数が多く、底堅い人気の会員権となっています。

最後は300万円以上の会員権となりました。
全取引件数に占める割合は30%で、先月より2ポイント減少しています。
この価格帯のエクシブの引きが弱くなっており、値下がり物件が増加したにも拘わらず、取引件数は伸びずに、むしろ、減少しました。逆に、ベイコート俱楽部の取引件数は先月より増加しています。
このことから、一概に高額商品の購買層の需要が減少していると見ることはできないでしょう。

 

2) 11月のリゾート会員権流通の特徴

今月も先月同様、流通市場は値下がり商品の多い月となりました。2か月連続で値下がり件数が50件を超えています。
エクシブの交換グレードSタイプの値下がり件数が多かったこと、東急ハーヴェストクラブの値下がり件数が増えてきていることが特徴の月となりました。
市場全体としては弱含みで推移しました。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
11月 23件 56件 336ポイント -12ポイント

11月に値上がりした件数は23件で、先月よりも2件少なくなりました。
値上がりした会員権が多かったのは、関西圏のエクシブ交換グレードC(ラージ)でした。
値ごろ感のあった会員権が取引されたことで、値上がりした会員権が出てきました。
これまで値上がり件数の多かった東急ハーヴェストクラブですが、今月は1件もありませんでした。

11月に値下がりした件数は56件で先月よりも4件多くなっています。
特に、高額物件の値下がり件数が多くなっています。
エクシブ交換グレードS、東京ベイコート倶楽部、東急ハーヴェストクラブなどがあげられます。
中でも、値下がり傾向が見える東急ハーヴェストクラブですが、値下がりした会員権が出てきたにも拘わらず取引件数が多くないので、もう一段の値下がりがあるかもしれません。

11月に最高値を更新した会員権は1件のみでした。
エクシブ白浜アネックスJタイプ(13泊)が98万円から150万円へ値上がりしています。

11月に最安値を更新した会員権は3件です。
エクシブ湯河原離宮Sタイプ(13泊)、エクシブ湯河原離宮CBタイプ(13泊)、エクシブ鳴門サンクチュアリ・ヴィラドゥーエ(13泊)となっています。