1)12月のリゾート会員権取引状況

 12月は米国の金利引き上げ観測から利下げへの模索で米国の株価が高騰しました。米国の利率を廻り、円高が進みましたが日本の株価も上昇しました。
一方、経済の上向き期待がある中、我国の政治は与党議員の裏金(又はキックバック)問題で混沌とした月となりました。

今月のリゾート会員権市場は、株価の上昇、コロナ感染症の5類移行の定着等、経済的余裕と行動規制の緩和などで、昨年比で1.22倍の取引件数となりました。
そして、取引状況の特徴として、比較的高額な会員権の取引が堅調だったことが挙げられます。
加えて、未だに円安状況なので、海外旅行ではなく国内の高級リゾートクラブの需要が底堅く有ると見ることができます。

12月、取引が一番多かった価格帯は、100万円以上300万円未満の会員権でした。全取引件数に占める割合は36%で、先月比で4ポイント増加しています。
増加した会員権はエクシブ交換グレード E(スィート)の会員権で、先月比で2.75倍となりました。
この交換グレードで200万円前後の会員権が取引されています。
先月取引件数の多かったエクシブ交換グレード C(ラージ)は値上がりした会員権が多かったので、今月は取引件数が減少しています。

12月は100万円未満の会員権と300万円以上の会員権の取引件数が同数となりました。
まず、300万円以上の会員権の取引件数の占有率が32%となっています。この数字は先月より2ポイント上がっています。
東京ベイコート倶楽部の取引件数は減少したのですが、エクシブ S グレードの取引件数が1.6倍になったことで、占有率も上昇しました。
エクシブSグレードの取引件数が増加したのは、11月に値下がりした会員権が多かったことで、値ごろ感のある商品が市場に出ていたことが原因となっています。

次に、100万円未満の取引件数の占有率は32%となりました。先月比で6%下がりました。
占有率が減少したのは、エクシブ交換グレード A の取引件数が1件に止まったことによるものです。
エクシブ以外のこの価格帯の会員権は例月通り確実に取引が行われています。

 

2) 12月のリゾート会員権流通の特徴

市場価格の変動は先月より減少していますが、11月に引き続き値下がり件数が多くなっています。
11月と比較して値下がり件数が多かったのは、エクシブ交換グレード E(スィート)、芦屋ベイコート俱楽部となっています。
東急ハーヴェストクラブも値下がり件数が値上がり件数より多くなっています。東急ハーヴェストクラブも値下がりトレンドで推移していると見られます。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
12月 22件 40件 327ポイント -9ポイント

12月に値上がりした件数は22件で、先月よりも1件少なくなりました。
値上がりした会員権はエクシブ交換グレードCとエクシブ交換グレードSが多い月となりました。
値ごろ感のある会員権が取引され市場から消えたことで、次の登録価格が市場出て値上がりしています。

12月に値下がりした件数は40件で先月よりも16件少なくなりました
今月の値下がり物件は、エクシブ交換グレードSEグレードとベイコート俱楽部が多くなっております。
先月エクシブSグレードの会員権の多くが値下がりしたことにより、エクシブ交換グレードSEとの価格差が縮まってきたことでSEグレードの会員権が値下がりしたと見受けられます。
東急ハーヴェストクラブの値下がり件数は先月と同数となっています。

12月に最高値を更新した会員権は2件でした。
東急ハーヴェストクラブ京都東山が895万円から900万円、同旧軽井沢が1075万円から1680万円へ値上がりしました。かなりの値上がり額となっています。
東急ハーヴェストクラブ京都東山は市場に出てきて間がないので価格の変動が多い時期です。

12月に最安値を更新した会員権は8件でした。
エクシブが5件、芦屋ベイコート俱楽部が3件となっています。
エクシブ湯河原、六甲、鳥羽別邸、芦屋ベイコート俱楽部など市場に出てきて間がない会員権になっています。これらの会員権は価格の調整期間と見ることができます。