1)2月のリゾート会員権取引状況

 2024年は、2月に入り株価の高騰が始まりました。
円安を背景に、アメリカ株と比較して日本株の割安感が外国資金の導入を誘発し株価が上がったと見られます。安倍政権下の株高の時は、コロナ禍によるメンバー制ホテルの再評価と株高が相まってリゾート会員権市場に大きな影響を与えました。
今回はコロナ禍というファクターはありませんが、株高による影響が会員権市場にも出てくるものと期待しています。

 今月のリゾート会員権市場の取引件数は先月比で12%アップしました。
加えて、ラグーナベイコート倶楽部の譲渡が解禁になったことから、にぎやかな市場となりました。
流通市場に多くの商品が出てくることで、リゾート会員権市場も活発に動いていくものと予想します。

 2月は取引が一番多かった価格帯は、100万円未満の会員権で、全体の48%を占めました。
前月との比較では、14ポイント増加しています。
内訳を見ますと、エクシブの交換グレードA の会員権は2.5倍、サンメンバーズは2倍、それ以外の会員権も2.5倍の取引件数となっています。
特に、オアシスクラブ、鴨川リゾートクラブジャイロの取引件数が安定的に確保されています。購入しやすい価格帯の商品が市場に多く出てきていることが要因となっています。

 次に取引件数が多かったのが、300万円以上の会員権となっています。全体の35%を占めました。先月は29%でしたので、6ポイントアップしました。
エクシブの高額商品の取引件数は前月とあまりかわらなかったのですが、ベイコート俱楽部の取引件数が増加したことによるものです。
ラグーナベイコート俱楽部が市場に出てきたことでベイコート倶楽部への需要が掘り起こされたのかもしれません。

 最後は100万円以上300万円未満の会員権ですが、全取引件数に占める割合が17%となり、先月比で20%ポイントも減少しています。
エクシブ交換グレードC(ラージ)の取引件数が前月比で80%減になったこと要因となっています。
このクラスの会員権が100万円以下に値下がりした例が出てきているので、商品が減って取引件数も減ったのが原因と思われます。

 

2) 2月のリゾート会員権流通の特徴

 2月の市場価格の変動は1月と同様、値上がり商品よりも値下がり商品が多い月となりまた。
しかし、市場価格の平均単価は1月よりも上がりました。
理由は、譲渡禁止期間が終了した高額会員権ラグーナベイコート俱楽部が市場に出てきたことにより、平均価格が押し上げられた格好になっています。
然るに、市場全体としては弱含みで推移しているものと認識されます。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
2月 18件 38件 352ポイント 6ポイント

 2月に値上がりした件数は18件で、先月よりも3件少なくなりました。
エクシブで値上がりした会員権は1月に取引された結果、次の登録価格が高いという事での値上がりが多かったと言えます。
東急ハーヴェストクラブは相変わらず、値上がりする商品が出ています。投資商品と考えて購入する向きもあるやと思われます。

 2月に値下がりした件数は38件で先月より2件少なくなりました。
値下がりした内容を見てみますと、価格調整程度の値下げが殆どでした。契約件数確保という目的に沿った価格変動と見ることができます。
会員権別に見ますと、東京ベイコート倶楽部ベイスイートの値下がり件数が多い月となりました。
来月以降、芦屋、ラグーナベイコート倶楽部のベイスイートへの影響が注視されます。

 2月に最高値を更新した会員権は1 件でした。
東急ハーヴェストクラブVIALA アネックス京都鷹峯は2か月連続で最高値を更新しました。値上げ幅は1375万円から1380万円へ5万円と小さいものになっています。これは、取引に支障がでないように大幅な値上げを避けたものと見ることもできます。

 2月に最安値を更新した会員権は4件でした。
エクシブが2件、芦屋ベイコート俱楽部が2件となっています。
芦屋ベイコート俱楽部の値下がりは3か月連続となっていますので、そろそろ、価格は落ち着いてくるものと思われます。