1)3月のリゾート会員権取引状況

  2024年の経済環境は、好材料が多かったように感じます。
特に、日経平均株価が初めて4万円の壁を突き抜けたこと、賃上げ額が連合では33年ぶりに5%を超えたこと等、リゾート会員権を取り巻く環境としては良い月となりました。
一方、日銀によるマイナス金利解除の発表があったことは気になるところです。

今月のリゾート会員権市場は活発な動きを見せました。
株価の高騰や賃上げがリゾート会員権市場に好影響を与えたものと推察します。
取引件数を見てみますと、昨年同月比で32%アップしています。また、前月比でも43%増加しました。
取引された内容を見ると、高額商品の取引件数が多い月となっています。

3月に取引が一番多かった価格帯は、300万円以上の会員権となりました。
全体取引の44%を占めました。先月比で9ポイントアップしています。
要因は2点あり、1点目はラグーナベイコート俱楽部の譲渡解禁の影響が大きく、ベイコート倶楽部の取引件数が先月よりも60%増加したこと。2点目は、エクシブのSグレードの会員権の取引件数も先月比で約2倍となったことです
株価高騰による景況感が反映されたものかもしれません。

次に取引件数が多かったのが、100万円以下の会員権となっています。
全体取引の35%を占めました。先月より13%減少しています。
取引件数自体は先月とほとんど変わらないのですが、高額物件の取引が多かったことから占有率が低下しました。
強いて言うならば、エクシブ交換グレードAの会員権の取引件数が減少しました。
その他の会員権は底堅く取引されています。

最後は100万円以上300万円未満の会員権ですが、全取引件数に占める割合が21%となり、先月比で4ポイント増加しています。
エクシブ交換グレードC(ラージ)の会員権の取引件数が前月比で4.5倍となりました。
エクシブ交換グレードC(ラージ)の会員権が100万円前後で購入できるという事で、商品内容(グレード感)と比較すると割安感のある価格帯と認識されているのではないでしょうか。


2) 3月のリゾート会員権流通の特徴

 3月の市場価格の変動は売り買いともに今年一番多い月となりました。
ラグーナベイコート俱楽部は譲渡禁止期間が経過した直後で登録価格が高めに出ていたこともあり、値動きの激しい月となりました。また、東京ベイコート倶楽部も価格変動の激しい会員権となっています。これは取引件数が多かったことによるものです。
3月は値下がり件数が多かったので、平均単価も下がっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
3月 27件 45件 345ポイント -7ポイント

3月に値上がりした件数は27件で、先月よりも9件多くなりました。
東京ベイコート倶楽部ベイスィート(12泊)の会員権は、値上がり件数が先月より5倍となっています。2月に取引されたベイスィートの会員権が市場から消え、次の登録価格が高かったので、取引された会員権の全てが値上がりしています。
その他で値上がりした例は、暫く、市場になかった会員権が再登録された事例に多く見られました。

3月に値下がりした件数は45件で先月より7件多くなりました。
値下がりした会員権を見ますと、ベイコート倶楽部に多く出ています。特にラグーナベイコート俱楽部は全てのグレードで値下げされ、しかも、全てが取引されていきました。
譲渡禁止期間経過直後という事もあり、売り買いともに活発な動きとなっています。

3月に最高値を更新した会員権は1件でした。
RESERVE京都東山が900万円から950万円へ値上げされました。
先月まで2か月連続で最高値を更新させていた東急ハーヴェストクラブVIALAアネックス京都鷹峯は、高くなり過ぎたのか値下げする形で募集がかけられています。しかし、それでも高値圏にあると思われます。

3月に最安値を更新した会員権は4件でした。
エクシブが2件、ラグーナベイコート俱楽部が2件となっています。
ラグーナベイコート俱楽部は市場に出てきてまだ2ケ月なので、今後の値動きを注視していきたいところです。