1) 12月のリゾート会員権取引状況

10月の消費税増税の影響判断はまだできないと思われますが、日銀は12月の短観は4四半期連続で悪化したことを発表し、金融緩和政策は今後も維持する判断をしています。
一方、米中の関税緩和合意ができたことで、ニューヨーク証券取引所では株価が最高値を更新しています。

リゾート会員権市場は、株価が1年2か月ぶりに24,000円台に乗せましたが、会員権流通市場への動きには反映されませんでした。
12月という季節要因が影響したのか、動きの鈍い月となりました。

12月に取引された会員権を見ますと、エクシブの取引が全取引の53%と50%を確保しました。エクシブで取引された内容を見ていますと、交換グレードA(スタンダード)の取引件数が少なく、全体の11%に留まっています。このように、交換グレードAへの需要が減退しているので、市場価格も値下り傾向が続いています。
エクシブ以外の会員権を見ますと、東京オリンピックの影響だと思われるのですが、東京ベイコート倶楽部への需要が高まっています。
また、特徴のあるクラブとして評価されているオアシスクラブの取引も堅実に行われています。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
今月は、一番多く取引された価格帯は100万円未満の会員権でした。
全取引の47%となっています。先月比では6ポイント増加しています。
エクシブの交換グレードAの取引件数が少なくなっている反面、サンメンバーズやオアシスクラブ、ウィスタリアンライフクラブ、逗子マリーナなどの取引がこの価格帯のボリュームを支えています。

次に多かったのは、300万円以上の会員権で取引は全取引の28%でした。
東京ベイコート倶楽部の取引件数が多かったこと、相変わらず、エクシブの交換グレードS(スーパースィート)の人気が高く、値ごろ感のある会員権は取引されています。但し、このクラスの会員権は離宮シリーズとそれ以外のエクシブとで価格差が認められます。

最後に、100万円以上300万円未満の会員権の取引は全体の25%となっています。
この価格帯の会員権のボリュームが少なくなってきているので、取引件数も落ちてきています。
東急ハーヴェストクラブを除けば、エクシブの交換グレードE(スィート)、交換グレードC(ラージ)の26泊タイプと東京ベイコート倶楽部の下層階だけがこの価格帯になってしまっています。


2) 12月のリゾート会員権流通の特徴

  12月は値上がりした会員権数が少なく、反面、値下がりした会員権数の多い月となっています。
市場の動きが活発でなかったので、取引された結果として値上がりする例が少なく、逆に、取引を誘引するために値引きされた例が多い月となっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
12月 17件 37件 232ポイント -8ポイント

※10月より指数の計算方法を変更しました。

12月に値上がりした件数は17件で、先月より11件少なくなっています。
値上がりした会員権中、東急ハーヴェストクラブは全体の47%を占めています。但し、VIALAシリーズの値上がり速度が落ちてきた様にみえます。
他ではエクシブ有馬離宮が、安い商品が市場から消えたことで値上がりしています。

12月に値下がりした件数は37件となり、先月よりも1件多くなっています。
今月もエクシブの交換グレードA(スタンダード)の会員権の下げ止まり感は見えてきません。
その他で値下り傾向があったのは、東京ベイコート倶楽部の下層階の会員権です。上層階との価格差が広がってきています。
東急ハーヴェストクラブは、今月も市場に出ている会員権の23%が値下がりしました。人気のあるロケーションか否かで価格差が多少なりとも出てきています。

12月に最高値を更新したのは5件となっております。
今月もすべてが東急ハーヴェストクラブと東急VIALAで占められました。
中でも、熱海伊豆山は1年を通して毎月値上がりしています。商品が市場に出ていないにも拘わらず、何故か市場価格が上がっています。

一方、12月に最安値を更新した会員権は11件となっています。
11件の内、エクシブが9件となっています。内容を見てみますと、エクシブの交換グレードAが5件、Cが3件、Eが1件となっており、やはり交換グレードAが1番多くなっています。
中でもエクシブ琵琶湖BバージョンZは5万円まで下げられています。この価格ですと、サンメンバーズ・ワールドホリデー・ブロンズよりも安い価格となってしまいます。
ここに於いて、エクシブとサンメンバーズ・ワールドホリデーとが価格の上で競合してしまっています。