1) 11月のリゾート会員権取引状況

11月は10月の消費税増税や台風による消費が落ち込みの反動もあったのか景気に動きがみられたようです。
事実、景気ウォッチャー調査では2カ月ぶりに指数が改善したという報告が出ました。

リゾート会員権市場も上記調査と同じように10月と比較すると約35%程、取引件数が増加しました。
加えて、株式市場も日経平均が年初来の高値を付けたことも会員権市場に影響が出たのではないかと推察します。

11月に取引された会員権を見ますと、エクシブの取引が全取引の43%となり50%を切りました。
エクシブの取引状況は2分化しており、廉価なエクシブへの需要が芳しくなく、反面、高額なエクシブの需要は旺盛となっています。従って、高額なエクシブは品不足状況になりつつあり、取引件も伸び悩み感があることは否めません。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
今月は、一番多く取引された価格帯は100万円未満の会員権でした。
全取引の41%となっています。先月比では6ポイント増加しています。
100万円未満の会員権の多くはサンメンバーズやオアシスクラブなどエクシブ以外の会員権の取引となっています。
エクシブにおいて100万円未満で取引された会員権は全てラージタイプの会員権となっており、スタンダードタイプの会員権の取引はありませんでした。

次に、100万円以上300万円未満の会員権の取引は全体の30%となっています。
この価格帯のエクシブの取引は殆どが交換グレードスィートで占められました。
また、東京ベイコート倶楽部の下層階の会員権価格が300万円割れで市場に出てきたので、それらの会員権も取引されています。

最後に300万円以上の会員権の取引は全取引の28%でした。
エクシブ有馬離宮の交換グレードの市場価格に値ごろ感が出てきたので取引件数が増えています。また、東京ベイコート倶楽部の人気が高く多くの取引が行われました。ベイコート俱楽部の施設が増えてきているので利用価値も上がってきていることが価格を支えている要因と見る事が出来そうです。


2) 11月のリゾート会員権流通の特徴

  11月は10月ほどではありませんが、流通市場価格動向は価格変動の多い状態が続いています。
10月は市場の動きが鈍かったので、市場を活性化させるために市場価格を動かす必要があったのではないでしょうか。11月も10月に引き続き価格を下げ、取引件数を確保する動きがありました。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
11月 28件 36件 240ポイント -7ポイント

※10月より指数の計算方法を変更しました。

11月に値上がりした件数は28件で、先月より3件少なくなっています。
値上がりした会員権は東急ハーヴェストクラブとエクシブが80%近くを占めています。
しかも、東急ハーヴェストクラブは市場に出ている会員権の52.3%が値上がりしています。
エクシブの値上がりは、値ごろ感のある会員権が取引されたことによる値上がりとなっています。

11月に値下がりした件数は36件となり、先月よりも6件少なくなっています。
相変わらず、エクシブの交換グレードA(スタンダード)の値下り傾向が続いています。
また、今まで、高値で動いていたエクシブ京都八瀬離宮に値下り物件が多く出ました。価格調整と見ることが出来そうです。
東急ハーヴェストクラブも市場に出ている会員権の23%が値下がりしました。東急ハーヴェストクラブの場合、価格の2極化現象が出てきています。

11月に最高値を更新したのは9件となっております。
今月も9件中9件が東急ハーヴェストクラブと東急VIALAで占められています。
今年の1月からの値上がり率が高かったのは東急ハーヴェストクラブ那須で34.5%(145万円)
もっとも値上がり金額が高かったのは東急ハーヴェストクラブVIALA熱海の200万円となっております。

一方、11月に最安値を更新した会員権は11件となっています。
内容を見てみますと、エクシブの交換グレードAの会員権が11件中8件となっています。
交換グレードAの値下りは、エクシブの高級化路線に起因すると推察しています。
先月最安値を付けた会員権で一番多かったエクシブ交換グレードCの会員権は1件のみとなっています。