1) 6月のリゾート会員権取引状況

 

年号が「令和」になり、1か月が経過しました。何か事が起これば「令和初」という枕詞がつけられていました。
しかし、世界経済の状況はG20が大阪で開催されたにも拘わらず、米中貿易摩擦の見通しが立っておらず不透明な状態が続いています。
そのような中で、FRB議長発言で利下げ期待感が高まり、アメリカ株が高値圏を維持しました。

リゾート会員権の流通市場ですが、先月より動きの悪い月となりました。
問い合わせの数自体は、例年と比較してそれほど悪くなかったのですが、具体的な成約まで至らないケースが多かったように思われます。
景気の不透明感や株価も低迷していることが、少なからず影響したのではないかと推測しています。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
今月も、一番多く取引された価格帯は100万円未満の会員権でした。
全取引の47%となっています。50%を割ったのは今年に入って初めてのことでした。
50%を割ったのは、エクシブ交換グレードA(スタンダード)、サンメンバーズの取引件数が少なかったことによるものです。
特に、毎月取引件数の多いサンメンバーズが品薄傾向にあり、希望に合った価格の商品が市場になかったことが取引件数が増えなかった要因です。

6月100万円以上300万円未満の会員権と300万円以上の会員権の取引件数が同数となりました。各々全取引件数に占める割合は26%となっています。
次に100万円以上300万円未満の会員権で取引されたのは、殆どがエクシブの交換グレードE(スィート)となっています。唯一、浜名湖交換グレードC(ラージ)(26泊)が100万円以上で取引されました。
300万円以上の会員権はエクシブのスーパースィートと東京ベイコート倶楽部で占められました。我国の株式市場が停滞している中でも、値ごろ感のあるスーパースィートの会員権は取引されています。因みに、今月はエクシブスタンダードの取引件数よりスーパースィートの取引件数が多くなっています。高額物件でも株価等の影響はそれほど受けていないと思われます。

 

2) 6月のリゾート会員権流通の特徴

  6月の流通市場価格は動きのある月となりました。
価格が動いたのは、エクシブと東京ベイコート倶楽部でした。市場の動きを誘発するための価格変化とみる事もできます。結果として、今年になって一番値下り件数の多い月となりました。しかし、その値下り幅は小さいものが殆どでした。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
6月 22件 33件 246ポイント +11ポイント

6月に値上がりした件数は22件で、先月より5件多くなっています。
東急ハーヴェストクラブは7件値上げをしています。しかも、毎月同じような上げ幅で値上げが行われています。
その他ではエクシブ初島が市場に出ている会員権4件中3件が値上がりしました。下がりすぎた市場価格への修正とみる事ができる値上がりとなっています。

6月に値下がりした件数は33件となり先月より11件増え、今年に入って最も多い件数となっています。
内容を見ますと、最近続いていたエクシブ交換グレードA(スタンダード)への集中した値下りでなかったのが特徴と言えます。
今月の値下り傾向を見ますと、市場を活性化させるための値下げと見られ、値下り幅は小さいものの万遍なく価格が動いております。
その中でも東京ベイコート倶楽部は全体的に弱含みの市場となりました。

6月に最高値を更新したのは3件となっており先月よりも2件少なくなっています。
今月も全てが東急ハーヴェストクラブと東急VIALAでした。その値上がり幅は判で押したように10万円前後となっています。いつまでこの状態が続くのか注視していく必要がありそうです。

一方、6月に安値を更新した会員権も3件となっています。
エクシブが2件、ウィスタリアンライフクラブが1件となっています。
エクシブ交換グレードAの13泊は10万円台になるケースが多くなっています。
また、エクシブ箱根離宮EC(13泊)が160万円という安値で市場に出てきました。さすがにここまで値下がりするとすぐに取引されています。