1)12月のリゾート会員権取引状況

新型コロナの感染は収まる兆候が見えない状態となっています。
国民に自粛を求めるだけでは感染が収まらないので、政府も世論に押される形でGoToキャンペーンを中断することで、やっとコロナ感染抑制のための重い腰を上げたようです。
一方、株価は30年ぶりの高値更新(27,000円台)で年を越えています。

リゾート会員権流通市場は、活発な状況が続いています。
取引件数を見てみますと、昨年同月比で1.59倍となっています。
このように、取引件数が多い月が続いており、人気のある会員権は品薄状態になっています。
最近の状況ですが、市場に出ている価格に対して差値すると買えない状況さえあります。希望の会員権が見つかったら、直ぐに結論出しをする例が多くなっており、消費者の検討時間も短縮される傾向にあります。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
12月に一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権で、全取引中55%を占めました。
100万円以下の取引状況を見てみますと、エクシブは53%、サンメンバーズ・ワールドホリデーが36%で、その他の会員権の取引件数が11%となっています。
このように、エクシブの取引件数は底堅くあります。

次に多かったのは、300万円以上の会員権の取引で、全体の中で25%を占めました。
相変わらず人気の高いエクシブSグレードの会員権は品薄状態が12月にも続いています。
同じく、高額物件の東京ベイコート倶楽部の取引状況ですが、ベイスィートは300万円台、ロイヤルスィートの上層階は800万円以上で取引されています。

最後に、最も取引が少なかったのは先月同様、100万円以上300万円未満の会員権でした。
全体の20%がこの価格帯の取引でしたが、先月比で9ポイント増加しています。
エクシブの交換グレードE(スィート)への問い合わせが増えてきており、取引件数を下支えした形になっています。

 

2) 12月のリゾート会員権流通の特徴

 12月の市場は比較的動きの少ない月となりました。
値下りした会員権で目につくのが、東急ハーヴェストクラブです。先月の値下り件数は3件でしたが12月は7件値下りしています。他の会員権と比較して高すぎるという判断が出たのかもしれません。
反対に値上がりした会員権で特徴的だったのはエクシブの高額物件です。値上がり物件の半数が高額物件となっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
12月 18件 25件 245ポイント -22ポイント

12月に値上がりした件数は18件でした。
値上がりした会員権が多かったのは高額物件で、エクシブで言えば交換グレードS、東京ベイコート倶楽部、東急ハーヴェストクラブのVIALAとなっています。
コロナ禍の中で、我国の消費傾向は耐久消費財が多くなっているという流れの中で、リゾート会員権も取引されて値上がりしていると考えられます。

12月に値下がりした件数は25件でした。先月より8件多くなっています。
値下り商品が多かったのは、エクシブでは交換グレードEの会員権、東急ハーヴェストクラブでは那須(4ヶ月連続で値下げされています)や旧軽井沢アネックスなど前月比で4件増加しています。東急ハーヴェストクラブもエクシブなど他の会員権と会員権価格や予約の取り易さ等が比較されるようになってきているのではないでしょうか。

12月に最高値を更新した会員権は3件となっています。
全てが東急ハーヴェストクラブVIALAシリーズでした。
具体的には箱根翡翠が1480万円から1500万円、熱海が1830万円から1900万円、京都が1200万円から1210万円となっています。

一方、11月に安値を更新した会員権は3件でした。
先月と比較すると2件少なくなっています。
最安値を更新したのはエクシブ伊豆Aタイプ(13泊)が10万円から9万円へ同じく白浜アネックスYタイプ(13泊+10泊)が80万円から70万円へ、東急ハーヴェストクラブ軽井沢が965万円から960万円への値下りとなっています。