1) 4月のリゾート会員権取引状況

 今年の4月は「平成」最後の月となります。
4月にG20財務相会議が開催され中国や欧州などでの景気減速を踏まえて、世界経済の下振れリスクが確認されました。特に中国経済の減速により我が国の鉱工業生産が弱含みに修正されました。株価も中国やアメリカ株の影響を受け、安定しない株式市況となっています。

リゾート会員権市場ですが、例年より動きのある月となりました。
今年の取引件数は例年と比較して12%アップとなりました。
4月はGW利用のための購入ということではなく、夏に向けての動きとなります。その意味で3月よりも長期に検討するお客様が多くなっています。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
今月も、一番多く取引された価格帯は100万円未満の会員権でした。
全体の54%を占めています。
その中でも一番多い会員権はエクシブ交換グレードC(ラージ)13泊タイプでした。44%を占めていました(因みに、先月は27%)。エクシブの交換グレードC13泊の需要が増加傾向にあると言えます。理由は会員権価格が買いやすいレベルになってきたからではないでしょうか。
一方、エクシブ以外の会員権の取引件数が少ない月となりました。

次に取引が多かったのが300万円以上の会員権でした。
全取引の28%となり、先月より12ポイント多くなっています。
特に今月はエクシブ交換グレードS(スーパースィート)の取引件数が多く、Sグレードのあるエクシブの多くが取引されています。Sグレードの人気の程が窺がい知れます。
高額物件である東京ベイコート倶楽部は下層階の会員権が動き、300万円以上の会員権の取引は1件のみに終わっています。

最も少なかったのが100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引件数の17%がこの価格帯となりました。先月と比較すると9ポイント下がりました。
取引が少なかったのは、エクシブの交換グレードE(スィート)で値ごろ感のある会員権が少なかったことによるものです。
反面、東京ベイコート倶楽部の下層階で300万円以下の商品が市場に出ていたことから、割安感があったので先月の2倍の件数が取引されました。

 

2) 4月のリゾート会員権流通の特徴

 4月の流通市場価格は動きのある月となりました。先月値上がりした会員権数が15ヶ月ぶりに30件を越えましたが、4月も30件を越えました。値下りした会員権数も先月より3件増えています。
特に値下り件数で目立ったのは東京ベイコート倶楽部で、低層階の会員権は9件中5件が値下がりしました。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
4月 32件 27件 241ポイント 15ポイント

4月に値上がりした件数は32件で、先月より1件少なくなっています。
値上がりした会員権で目立つのは東急ハーヴェストクラブでした。市場に出ている会員権のうち57%が値上がりしています。その内、2か月連続して値上がりしたのは8件ありました。
エクシブの値上がり物件は13件でした。その内、取引されたことにより値上がりした会員権数は10件となっています。

4月に値下がりした件数は27件となり3月より3件増えています。
値下りした会員権で目立ったのは前述の如く東京ベイコート倶楽部でした。市場に出ている会員権の55%に当たる件数が値下りしています。3月取引件数が少なかったので、今月に値下げしたものと思われます。結果として、低層階の取引件数は先月の1.5倍となっています。

4月に最高値を更新したのは9件となっています。
東急ハーヴェストクラブと東急VIALAで7件、東京ベイコート倶楽部が2件となっています。
特に東急のVIALAシリーズはすべてが2か月連続で最高値を更新しています。その値上がり幅は5万円から20万円と小さいものでした。
東京ベイコート倶楽部は18階と22階の会員権が最高値を更新しています。値上がり幅は18階が100万円、22階が300万円となっています。

一方、4月に安値を更新した会員権も9件となっています。
9件中5件がエクシブとなっています。しかも、その5件が全てエクシブ交換グレードAとなっています。交換グレードAは弱含みとなっています。その他では東京ベイコート倶楽部の5、7、8階の会員権も最安値を更新しました。
残りの1件はダイヤモンドオーナーズ箱根でした。