1) 10月のリゾート会員権取引状況

今年は九州の大雨、台風15号19号が日本列島を襲いました。特に10月の台風19号は東海から東北地方にかけて甚大な被害を及ぼしました。

リゾート会員権市場ですが、リゾート会員権という商品の性格から、上記のような状況による影響は否定できません。
加えて、10月から消費税の引き上げもあり、市場環境はかなり厳しいものとなりました。
実際、市場の動きも悪く取引件数も先月と比較して38%減となりました。

10月に取引された会員権を見ますと、安定的に取引されているのはエクシブとなっています。エクシブ以外の会員権としては、東京ベイコート倶楽部の取引件数が多くなっています。東京オリンピックの影響かと思われることに加え、ベイコート俱楽部の施設が増加していることも考えられます。特に、横浜ベイコート俱楽部の完成が近くなってきたことは購入動機になっているのではないでしょうか。
その他の会員権は動きの少ない月となりました。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
一番多く取引された価格帯は100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引の41%がこの価格帯となりました。40%を超えたのは2017年5月以来のことです。
理由としては、エクシブの交換グレードC(ラージ)の26泊タイプの取引件数が伸びたこと、東京ベイコート倶楽部の下層階の会員権に300万円割れの会員権が出てきて、それが取引されていったこと等が挙げられます。

次に多かったのは100万円未満の会員権で全取引の35%となっています。
この価格の会員権はエクシブの交換グレードAとCグレードの13泊タイプが半数以上を占めています。
交換グレードAの会員権の多くが20万円を割っているのですが、取引件数はそれほど伸びていません。
エクシブ以外で取引された会員権としてサンメンバーズ、オアシスクラブ、逗子マリーナ、ダイヤモンドオーナーズ等が挙げられます。

最後に300万円以上の会員権の取引は全取引の24%でした。
エクシブのスーパースィートの人気はあるのですが、商品が少なく値上がりしているので取引件数も伸びていません。500万円以下の会員権が出れば取引件数は伸びてくると思われます。
一方、東京ベイコート倶楽部は安定的に取引が行われています。


2) 10月のリゾート会員権流通の特徴

  10月の流通市場価格動向は価格変動の多い月となりました。
消費税が上がったことや取引件数が少なかったことから、価格を下げた会員権の多かったことが特徴の月となりました。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
10月 31件 42件 247ポイント +4ポイント

※10月より指数の計算方法を変更しました。

9月に値上がりした件数は31件で、先月より5件多くなっています。
値上がりした会員権はエクシブが16件、東急ハーヴェストクラブが7件となっています。
エクシブの値上がりは、安い商品が売れたことによるものが殆どです。一方、東急ハーヴェストクラブは取引されて値上がりしたのは1件に留まっています。
今月は東京ベイコート倶楽部の値上がりも6件あり、先月の3倍となっています。

10月に値下がりした件数は42件となり、今年になって初めて40件を越えました。
10月もエクシブ交換グレードAの会員権の値下り件数が最も多く、下げ止まり感はまだ出てきていません。
また、交換グレードC(13泊)も値下り傾向が出てきています。エクシブ初島がリーディングケースとなっています。
加えて、値下りを誘引した原由として、9月10月の台風による災害と増税後の取引件数を確保する目的もあって、値下り件数が増加したものと思われます。

10月に最高値を更新したのは7件となっております。
今月も5件中6件が東急ハーヴェストクラブと東急VIALAで占められています。
6件中2件は購入するための順番待ちとのことです。

一方、10月に安値を更新した会員権は19件となっています。
今年になって最も多い月となりました。
その内、一番多かったのがエクシブ交換グレードCの会員権(9件)となっています。交換グレードAの会員権の7件を超えました。
交換グレードCの会員権にも値下り傾向が出てきたのかもしれません。