1) 9月のリゾート会員権取引状況

 

米中貿易摩擦で中国経済が思わしくない中、課題は残りますが日米での貿易協定が結ばれました。消費者にとっては食料品等が安くなるので、まんざら悪いことではなさそうです。
しかし、欧州中銀も量的緩和を再開するなど、世界経済に明るさがなくなりつつある中、日経平均が21,000円台を回復したという明るいニュースもありました。

リゾート会員権市場ですが、先月のお盆明けからの問い合わせが9月に取引されたこともあり活発な市場となりました。
9月の流通市場は消費税増税と無関係ではなかったと推測します。何故なら、取引件数は前年同月比で22%ほど多くなっているからです。

9月に取引された会員権のうちエクシブが占める割合が64%となっています。毎月、安定的にエクシブの取引が行われています。エクシブの中では箱根離宮の取引が際立って多い月となりました。4種類の交換グレード中、3グレードが取引されています。
エクシブ以外で取引が多かったのが東京ベイコート倶楽部でした。800万円台までの会員権が万遍なく取引されていきました。
逗子マリーナも人気があり活発に取引されています。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
一番多く取引された価格帯は100万円未満の会員権でした。
全取引の51%がこの価格帯となりました。
市場に一番多く出ている会員権であることからこのような結果になっています。
この価格帯に属する会員権の多くが50万円以下なので、購入しやすい会員権となっています。

次に多かったのは、300万円以上の会員権で取引は全体の25%となっています。
人気のエクシブスーパースィートは市場に出ている商品のうち60%が取引されました。
加えて、東京ベイコート倶楽部の取引は順調だったこともこの価格帯の占有率を上げた要因となっています。

最後に100万円~300万円未満の会員権の取引は全取引の24%でした。
この価格帯に属する会員権が少ないので、畢竟、取引件数も少なくなっています。
この価格帯の取引占有率を支えているのは、最近人気が高まりつつあるエクシブ交換グレードEの会員権となっています。

 

2) 9月のリゾート会員権流通の特徴

  9月の流通市場価格動向は値下り物件の数が多かったことです。
9月の取引件数が先月比で28%増加しておりますが、消費税増税前ということで多少でも値下げしても早めに処分したいという、心的要素が売主サイドにも働いたのではないでしょうか。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
9月 26件 36件 266ポイント +15ポイント

9月に値上がりした件数は26件で、先月より1件多くなっています。
値上がりした会員権はエクシブが14件、東急ハーヴェストクラブが9件となっています。
市場に出ている全会員権中、エクシブは1.4%、東急ハーヴェストクラブは43%が値上がりしています。この数字を見ても東急ハーヴェストクラブの値上がりが目立っています。

9月に値下がりした件数は36件となり先月より9件増えました。
9月もエクシブ交換グレードAの会員権の値下り件数が最も多くなっていますが、その他のエクシブも値下り件数が増加しています。
増税前に取引を増やす目的も有ってか値下り件数が増加しました。

9月に最高値を更新したのは9件となっております。
今月も9件中8件が東急ハーヴェストクラブと東急VIALAで占められています。
1件はエクシブ箱根離宮Sタイプ(13泊)でした。この会員権は人気が高く発行口数も少ないことから市場に出にくい会員権となっています。

一方、9月に安値を更新した会員権は11件となっています。
その内、エクシブ交換グレードAの会員権が6件、東京ベイコート倶楽部が3件となっています。
エクシブ交換グレードAの値下がり件数が多いので、値下がり幅も小さいものになっています。
東京ベイコート倶楽部の3件の値下りは全てベイスィートとなっています。