1)10月のリゾート会員権取引状況 

 9月末で緊急事態宣言が解除になり、旅行も自由に行けるようになりました。一方、受け入れ側の施設も緊急事態宣言中にかなり厳格な防疫対策が取られており、それが「ニューノーマル」として確立してきたように思われます。
これからは、安心して旅行を楽しめるのではないでしょうか。
 10月の会員権市場は9月ほど動きのある市場とはなりませんでした。
自民党の総裁選や総選挙などの影響が多少はあったのではないでしょうか。
流通市場を見てみますと、リゾート会員権に対するニーズは高額商品にあることは変わりがないのですが、100万円以下の会員権への問い合わせも多くみられました。
 次に、取引された会員権価格を見てみます。
10月に一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。全取引中50%で先月より6ポイント増加しています。この価格帯の取引が全体の50%を超えたのは3か月ぶりのことです。
サンメンバーズ・ワールドホリデークラブは毎月一定の取引件数が確保されていますが、その他では鴨川リゾートクラブジャイロ、逗子マリーナオーナーズ、オアシスクラブなど安定した人気のあるクラブとなっています。
 次に多かったのは300万円以上の会員権で、占有率は全体の33%で、先月より1ポイント増えています。
内容を見ますと、商品が少なかったエクシブSグレード(スーパースィート)の会員権が市場に出てきたことで一定の取引件数が確保されたこと、エクシブEグレード(スィート)の価格が値上がりして300万円台にのせた商品が多くなり、しかも取引されたことで全取引中の占有率を高めた要因になっています。
 最後に最も取引が少なかったのが100万円以上300万円未満の会員権で、全体の17%でした。先月よりも5ポイントダウンしています。
人気のエクシブ箱根離宮、有馬離宮のECグレードの会員権が300万円超となった会員権が多くなり、この価格帯の商品が減少したことで取引件数も少なくなってしまいました。一方、エクシブのCグレード(ラージ)がこの価格帯に入った会員権も出てきているので、これらの会員権が取引件数の占有率を下支えしている状況です。

 

2) 10月のリゾート会員権流通の特徴

  10月の市場は、価格変動の多い月となりました。
値上がり件数は3か月連続で30件を超えましたし、値下がり件数も4か月振りに20件を超えました。
値下がりしている会員権の中で、高額商品にも値下がり物件が出てくるようになってきたのが気になるところです。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
10月 34件 25件 371ポイント -6ポイント
10月に値上がりした件数は34件で、先月から14ポイント減少しました。
今月も300万円以上の会員権の値上がりが多かったのですが、ほぼ同数で100万円以上300万円以下の会員権も値上がりしています。
このように、今月は300万円以下の会員権にも広がったことで、値上がり商品のすそ野が広がったということもできそうです。
 10月に値下がりした件数は25件でした。先月より8件多くなっています。
値下がりした会員権の56%が300万円以上の高額物件となっています。上がり過ぎた高額物件について価格調整がなされたのではないでしょうか。特に、エクシブ離宮シリーズの高額商品に値下がり物件が出てきましたが、値下がりしたということで取引された事例も出てきています。
 10月に最高値を更新した会員権は11件で、先月よりも1件多くなっています。
最高値を更新した会員権の全てが、300万円以上の会員権でした。
相変わらず、高額商品の人気が高いと評価できるのではないでしょうか。
中でも、エクシブ山中湖サンクチュアリヴィラは800万円から850万円へ値上がりで、2か月連続の最高値更新となっています。
 一方、10月に最安値を更新した会員権は9月同様1件のみでした。
エクシブ鳥羽別邸CBグレード(13泊)が200万円から199万円への値下がりでした。この会員権は今年から市場に出てきた会員権なので、価格の調整が進行中とみることができます。