1)11月のリゾート会員権取引状況 

11月は新たに新型コロナウィルス「オミクロン株」が発生し、新たな防疫対策が求められています。
感染力が高いということから、経済にどのような影響が出てくるか不透明な状態がしばらく続くものと思われます。
同時に、海外との出入国規制強化が迅速に行われていますので、海外へのリゾートは当分お預けとなるので、国内リゾートへの需要は底堅く続くものと思われます。

11月の会員権市場は落ち着いたものとなっています。2年近く続いたコロナ禍で人々のライフスタイルもコロナ禍に順応しつつあります。当然、リゾートライフも新しいステージのライフスタイルが模索されてくるのではないでしょうか。
リゾート会員権の流通市場を見てみますと、裾野が広がってきていると思われます。
このように感じられるのは、求められる会員権が特定の価格や特定の会員権に集中するのではなく、いろいろな会員権への問い合わせが出てきているからです。
長いコロナ禍のなかで、リゾートへのニーズが多様化してきたことによるものと推察できます。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
11月も一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。しかし、この価格の占有率は全取引中41%で先月より9ポイント減少しています。
内訳をみてみますと、エクシブの交換グレードAの会員権の取引件数は底堅くあるのですが、従前多かったサンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数が少なくなっています。これは、品薄状態によるものです。
11月も鴨川リゾートクラブジャイロ、逗子マリーナオーナーズ、ウィスタリアンライフクラブなども、底堅くニーズがあります。

次に多かったのは300万円以上の会員権で、占有率は全体の35%で、先月より2ポイント増えています。
内容を見ますと人気のエクシブSグレード(スーパースィート)の市場価格が高くなりすぎたことで取引件数が減少したのですが、エクシブ交換グレードEの会員権で300万円超えの商品が増加したことで取引件数も増えたこと、及び、東京ベイコート倶楽部の取引が堅調だったことなどによるものです。

 11月も取引が少なかったのが100万円以上300万円未満の会員権で、全体の24%でした。しかし、先月よりも7ポイントアップしています。
リゾート会員権に興味を持ったが、初めから高額な会員権の購入をためらう方にとって、ちょうどよい価格帯の会員権としてヒットしたようです。この価格帯を占めるのがエクシブ交換グレードCの会員権となっていますが、価格以上のグレードがあることから商品価値が認められて取引件数が確保されたものと思われます。

 

2) 11月のリゾート会員権流通の特徴

  11月の市場は、10月ほどではありませんでしたが、価格変動の多い月となりました。
しかし、今年になってからは値上がり件数が圧倒的に多かったのですが、11月は値上がり、値下がり件数がほとんど変わらないものとなっています。
このことは、値上がり件数が減少したことによるものです。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
11月 30件 23件 361ポイント -10ポイント

 11月に値上がりした件数は30件で、先月から4ポイント減少しました。値上がりした会員権として、エクシブ軽井沢、山中湖が市場に出ている会員権の60%以上が値上がりしています。
その他では東急ハーヴェストクラブの値上がりが目につきます。全体の35%が値上がりしています。
値上がりした会員権の価格帯は高額商品だけではなく全般にわたっています。

11月に値下がりした件数は23件でした。先月より2件少なくなっています。
値下がりした会員権の46%が300万円以上の高額物件でしたが、エクシブだけを見てみますと100万円以上300万円未満の会員権の値下がり件数が多くなっています。
即ち、高額物件の値下がりが多かったのは東京ベイコート倶楽部と東急ハーヴェストクラブということになります。

11月に最高値を更新した会員権は9件で、先月よりも2件少なくなっています。
その内訳はエクシブ、東京ベイコート倶楽部、東急ハーヴェストクラブが各3件となっています。
特徴的な値上がりは東京ベイコート倶楽部で最高値を付けたグレードが全てベイスィートだったことです。ベイスィートの市場価格とその上のグレードの差が大きかったのですが、少しづつ差が縮まってきています。

一方、11月に最安値を更新した会員権は1件のみでした。
ウィスタリアンライフクラブ宇佐美Ⅱが11万円から5万円へ値を下げています。