1)2月のリゾート会員権取引状況

コロナ感染が問題になって約1年が経過しました。
1月7日に出された緊急事態宣言が都と近郊3県だけ継続することになり、引き続き感染への警戒が続いています。一方、コロナワクチンの国内接種が2月から始まりました(医師ら4万人先行)。
コロナへの警戒が続く中、株式相場は3万円台に乗せるなど経済活動も牛歩ではありますが回復の兆しが見えているのではないでしょうか。

2月のリゾート会員権流通市場も引き続き、活発な動きを見せています。
取引件数を見てみますと、昨年同月比で41.1%アップとなっています。
消費活動及び自由な活動が制限されているというストレスを解放(緩和)してくれるアイテムとしてリゾート会員権がとらえられているという意味では、リゾート会員権流通市場に好影響を与えていると思われます。
加えて、株価の値上がりによる含み益を、「形あるもの」へとのニーズがリゾート会員権に向かっている一面も否定できないでしょう。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
2月に一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権で、全取引中57%となっています。
100万円以下のエクシブの取引件数が少なかったにも拘わらず、占有率が50%を超えたのは、サンメンバーズ・ワールドホリデー、鴨川ジャイロなどの取引件数が多かった事によるものです。

次に多かったのは、300万円以上の会員権の取引で、全体の中で25%となっております。
この占有率は先月と同じ数字です。
エクシブのSグレードの会員権は700万円台でも取引されている状況で、値は強含みで動いています。
更には、東京ベイコート倶楽部の取引も活発で、市場を無視した価格以外の会員権は殆ど取引されていくという状況です。

最後に、最も取引が少なかったのは100万円以上300万円未満の会員権の取引で、全体の18%の占有率となっています。先月比では10ポイント少なくなりました。
エクシブ内での取引件数はエクシブの100万円未満の件数より多かったのですが、エクシブ以外の会員権でこの価格帯の取引が1件もなかったことでこの結果となっています。

 

2) 2月のリゾート会員権流通の特徴

  2月の市場は値上がり物件の多い月となりました。
一方、値下がりした会員権は過去1年で一番少ない件数となっています。
価格変動した会員権の価格帯別でみてみますと、300万円以上の高額商品に多く見られました。
東京ベイコート倶楽部では、値上がり物件の全てが300万円以上の会員権でした。
東急ハーヴェストクラブの値上がり物件は10件ありましたが、その内9件が300万円以上の商品となっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
2月 35件 11件 276ポイント +8ポイント

2月に値上がりした件数は35件でした。先月より15件多くなっています。
エクシブのSグレード及び東京ベイコート倶楽部が品不足となっていることから強含みの動きとなっています。これらの会員権は引き続き、値上がり件数が増加傾向にあると思われます。
東急ハーヴェストクラブの値上がりは、殆どが価格調整程度の値上がり幅となっています。

2月に値下がりした件数は11件でした。先月より9件少なくなりました。
11件中8件がエクシブとなっています。1月に市場に出てきたエクシブ鳥羽別邸は全てが値下がりしています。特にSグレード(13泊)の価格は1500万円から980万円へ大幅に値下がりしています。一方、東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山の価格も弱含んでいます。昨年5月に最高値を付けましたが、2月の市場価格は過去1年間での最安値となっています。

2月に最高値を更新した会員権は4件となっています。
全てが東急ハーヴェストクラブ及びVIALAとなっています。
中でも値上がり幅が大きかったのがVIALA熱海伊豆山で1900万円から1930万円への値上げでした。東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山が弱含みの動きになっているのと好対照となっています。

一方、2月に最安値を更新した会員権も4件でした。
最安を更新したのは全てがエクシブでした。
4件中3件がエクシブ鳥羽別邸でした。譲渡が開始された直後は高い価格で市場に出てきますので、数カ月間は価格調整期間と考えられます。もう1件はエクシブ白浜Aタイプ(13泊)で20万円から10万円への値下りでした。