1)3月のリゾート会員権取引状況

東京、神奈川、千葉、埼玉に発出されていた緊急事態宣言が3月21日2か月半ぶりに解除されました。また、オリンピック聖火リレーは3月25日にスタートしています。
一方、コロナワクチン接種が開始されたとしても、緊急事態宣言で政府の経済対策が停滞していることで個人消費の落ち込みやインバウンドの回復見込みがないことなど問題を抱えたままの状態が続いています。

3月のリゾート会員権流通市場は引き続き、動きのあるものとなっています。
取引件数を見てみますと、昨年同月比で52%アップとなっています。また、前月比でも約15%増えています。
コロナ禍による行動の規制が続き「コロナ慣れ」が広がりつつある中で、閉鎖的なリゾート施設としてのリゾートクラブへの需要が顕在化してきた結果ではないかと推察されます。
加えて、株価が堅調であることもリゾート会員権取引件数が多い遠因となっています。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
3月に一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権で、全取引中59%となっています。
今月の取引状況を見ますと、エクシブ交換グレードAの取引件数が多かったこと、加えて、同交換グレードC13泊タイプで100万円以下の会員権も人気の会員権となっていました。
更に、先月同様サンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数が多く、品薄状態になっています。

次に多かったのは、300万円以上の会員権の取引で、全体の中で24%でした。
この占有率は先月より1%ダウンしていますが、取引件数は増えています。
内容を見てみますと、エクシブ交換グレードSの取引件数は減少しています。理由は、市場価格の値上がりが急だったことによるものです。但し、エクシブ鳥羽別邸の価格は安くないのですが、取引されています。
東京ベイコート倶楽部の人気は高く、市場に出ている会員権のほとんどが取引されていく状態になっています。

最後に、最も取引が少なかったのは100万円以上300万円未満の会員権の取引で、全体の17%の占有率となっています。先月比では1ポイント少なくなりました。
この価格帯の商品は少ないのですが、新たに市場に出てきた会員権のエクシブ鳥羽別邸やエクシブ軽井沢パセオなどがこの価格帯の商品として出てきており、且つ、取引されています。

2) 3月のリゾート会員権流通の特徴

  3月の市場は値上がり物件の多い月となりました。
値上がりした事例の多くは市場に出ている会員権が取引されたことにより、値上がりしたものです。
一方、値下りした事例は、市場に出ているが取引されないという事で、価格を下げ調整を図ったものとうかがえます。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
3月 31件 25件 272ポイント -4ポイント

3月に値上がりした件数は31件でした。先月より4件少なくなっています。
エクシブで人気の高い「離宮シリーズ」は強含みで市場価格が推移しています。
先月同様、東京ベイコート倶楽部の値上がり物件が多い月となっています。原因は市場に出ている会員権が取引されたことによる値上がりです。
一方、東急ハーヴェストクラブはVIELAシリーズの値上がりが多い月でした。

3月に値下がりした件数は25件でした。先月より14件多くなりました。
値下りした会員権として、エクシブ鳥羽別邸が挙げられます。まだ、市場に出たばかりなので、会員権価格がこなれておらず値下りしたものです。
東京ベイコート倶楽部のベイスィートも先月同様、値下り件数の多い月となっています。そして、値下げされた会員権のほとんどが取引されました。

3月に最高値を更新した会員権は8件となっています。
東京ベイコート倶楽部が3件、東急ハーヴェストクラブ及びVIALAが4件、最後にエクシブ鳴門Cタイプ(13泊+チケット10枚)の会員権となっています。
VIALA熱海伊豆山は5ヶ月連続で高値を更新しています。この会員権は1年で約200万円の値上がりとなっています。

一方、3月に最安値を更新した会員権は5件でした。
最安値を更新したのは全てがエクシブとなっています。
5件中2件がエクシブ鳥羽別邸でした。同じ交換グレードの他のエクシブと比較して、多少の割高感があることは否めません。
その他で最安値を更新したのは、全てエクシブ交換グレードAの会員権でした。値下り幅は価格の調整程度となっています。