1)1月のリゾート会員権取引状況 

 オミクロン株の感染が1月に入り急増し、34都道府県が「まん延防止等重点措置」の対象になりました。
また、日経平均が昨年来の安値の更新、NYダウの乱高下、ウクライナ情勢、FRBのタカ派的な金融政策など、今年は変化の多い年となりそうです。

 1月のリゾート会員権流通市場は、オミクロン株感染増大の影響を感じさせない動きとなっています。
オミクロン株が市中感染し始めた先月と比較して、取引件数は33%アップしています。そして、取引された内容を見てみますと、先月同様、価格帯別の取引件数に差がない月となっています。
一方、市場価格の動きを見ますと、高額商品の値動きの多い月となりました。

 次に、取引された会員権価格を見てみます。
1月に一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でしたが、全取引中38%と低い数字となりました。占有率が30%台になったのは、2019年10月以来のこととなります。
このような数字になったのは、100万円以下の取引件数の中でエクシブが占める割合が38%と少なくなったことが大きな要因となっています。因みに、先月は56%を占めていました。

 次に多かったのは、300万円以上の会員権の取引で、全体の中で35%となっております。先月と比較して10ポイントのアップとなっています。
占有率がアップしたのは、エクシブのSグレードの会員権の取引件数が多くなったことによるものです。先月比で33%増加しております。高止まりした会員権に買手が付いた例も出てきています。

 最後に、最も取引が少なかったのは100万円以上300万円未満の会員権の取引で、全体の中で27%となっております。
この価格帯の取引はほとんどがエクシブCグレード(ラージ)となっています。
以前この価格帯に属していたエクシブEグレード(スィート)もコロナ禍の中で多くが300万円以上の価格帯になってしまったので、商品のボリュームが小さくなってきています。

 

2) 1月のリゾート会員権流通の特徴

  1月の市場は1年ぶりに値上がりした物件が値下がりした物件より少ない月となりました。
昨年は値上がりした件数が値下がりした件数をかなり上回っていたのですが、12月に同数となり、今月に至り逆転した数字となりました。
12月の取引件数が少なかったので、値下げして取引件数の確保を狙ったのではないでしょうか。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
1月 18件 27件 363ポイント +0ポイント
 1月に値上がりした件数は18件でした。
値上がりした会員権が多かったのは300万円以上の会員権で、値上がり物件の約80%近くを占めました。内、エクシブのSグレードが3件、東急ハーヴェストクラブ(VIALAを含む)が9件となっています。
今月は東京ベイコート倶楽部の値上がり物件が1件もない、珍しい月となっています。

 1月に値下がりした件数は27件でした。先月より5件多くなりました。
値下りした会員権が多かったのは、300万円以上の会員権となっています。
1年半ほど右肩上がりで動いてきた市場価格に一服感が出てきたと見られます。
一方、先月から値下がり傾向が弱まったエクシブ交換グレードAの会員権ですが、今月は1件も値下がりした商品がありませんでした。原因として考えられるのは、サンメンバーズ・ワールドホリデーの市場価格が値上がりしたことによるものと思われます。

 1月に最高値を更新した会員権は8件となっています。
エクシブは1件、最高値を更新しています(エクシブ有馬離宮Sタイプ(26泊)が1250万円から1280万円へ値上がりしました)。
東急ハーヴェストクラブは8件最高値を更新しています。中でも、東急ハーヴェストクラブVIALA熱海伊豆山が2180万円から2250万円へ値上げして購入客を募っています。2000万円超えたところで暫くは価格が安定するとみていましたが、更に、最高値を更新させています。

 一方、1月に最安値を更新した会員権は1件でした。
エクシブ鳥羽別邸CBグレード(13泊)が199万円から178万円へ値を下げています。
エクシブ箱根離宮、有馬離宮のCBグレード(13泊)の市場価格との差が縮小してきています。
 
                                                       以上。